A.結論は「簡易的な労務監査」の実施と「本来の目的の共有」です。助成金は単なる資金調達ではなく、従業員が働きやすい環境を整えるための制度構築だと伝えます。これにより、目先の申請のためだけの行動から、将来を見据えた本質的な労務改善へと経営者の意識が変わり、自然な流れで継続的な顧問契約へと繋がります。
社労士事務所にとって、助成金は新規顧客との接点を持つための最強のフロント商品です。「返済不要の資金が得られる」というメリットは、どんな経営者にとっても魅力的に映ります。
しかし、単なる「申請代行」のスポット契約で終わってしまい、肝心の顧問契約に繋がらないという悩みを抱える事務所も少なくありません。
船井総合研究所が推奨する、助成金をフックに顧問契約を勝ち取るための結論は、「簡易的な労務監査」の実施と「助成金本来の目的の共有」にあります。
目先の資金調達から、本質的な労務改善へと経営者の意識をシフトさせる具体的な手順を解説します。
1. 「簡易的な労務監査」で現状の歪みを可視化する
まずは申請の前提条件として、法定帳簿の整備状況や就業規則の有無を確認する「簡易的な労務監査」をセットで行います。
▼「申請できないリスク」を伝える
勤怠管理の不備や残業代の未払いがある状態では、助成金は受給できないばかりか、労働基準監督署の調査対象になるリスクがあります。
▼専門家としての「診断」
監査を通じて、「今のままでは助成金どころか、経営上の大きなリスクを抱えています」と事実を提示します。これにより、経営者は「助成金が欲しい」という要望から、「労務環境を整えなければならない」という切実な課題に気づくことになります。
2. 助成金を「制度構築のツール」として再定義する
次に重要なのが、助成金に対する経営者の認識を書き換えることです。
助成金は単なる小遣い稼ぎではなく、「従業員が働きやすい環境を整えるための国からの支援金」であることを共有します。
▼本来の目的を共有する
「キャリアアップ助成金は正社員化を促進するため」「両立支援は離職を防ぐため」といった、制度の背景にある目的を伝えます。
▼経営課題とリンクさせる
「御社の人手不足を解消するために、この助成金を使って評価制度を整えませんか?」と提案します。
助成金を「資金調達」ではなく「会社を良くするための制度構築コストの補填」と位置づけることで、社労士の役割が「手続き屋」から「コンサルタント」へと昇華します。
結論
本質的な労務改善への意識変革が成約の鍵
助成金をフロント商品にして顧問契約へ誘導する手順とは、単なる営業テクニックではありません。「助成金をきっかけに会社のリスクを洗い出し、制度構築の重要性を説き、将来を見据えた伴走者として信頼を得る」という一連のプロセスです。
目先の申請のためだけの行動から、将来を見据えた本質的な労務改善へと経営者の意識を変えること。
この信頼の積み重ねこそが、安売りではない、高単価で継続的な顧問契約へと繋がる最短ルートなのです。



