Q.司法書士が顧客情報をCRMで管理して掘り起こしを行う方法は?

  • 土地家屋調査士
  • 司法書士事務所
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執筆者士業ビジネス支援本部
コラムテーマ経営課題FAQ
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A.司法書士のCRM活用は、単発の登記業務を「顧客生涯価値(LTV=一人の顧客が生涯を通じて事務所にもたらす合計利益)」の最大化へ繋げるための戦略です。情報を一元管理し、数年後に「2次相続対策」「家族信託」「遺言作成」を適切なタイミングで提案することで、既存顧客を資産化し、安定した収益基盤を構築します。

1. 司法書士経営の最重要指標「LTV(顧客生涯価値)」の理解

司法書士業界において、新規受任に頼り切りになる「自転車操業型」の経営から脱却する鍵が、LTV(Customer Lifetime Value:顧客生涯価値)の向上です。 LTVとは、一人の顧客が初めて事務所を利用してから、将来にわたって事務所にもたらしてくれる「利益の総額」を指します。

多くの事務所が「相続登記」というスポット業務で接点を終えてしまう中、DX化に成功している事務所は、その後のライフイベントを見据えた継続的なアプローチを行います。CRM(顧客関係管理)を導入することは、単なる住所録を作る作業ではなく、LTVを最大化するための「提案タイミングを可視化する」仕組み作りと言えます。

2. CRMによる「提案チャンス」の可視化とセグメント管理

掘り起こしを成功させるためには、CRMで管理する顧客情報に、将来の受任に繋がる「フラグ(タグ付け)」を立てることが不可欠です。

  • 「2次相続」フラグ: 1次相続(例:父の相続)の登記を受任した際、配偶者(母)の年齢や資産状況をCRMに入力します。「3年後・5年後」といった節目で通知が飛ぶように設定し、配偶者の認知症リスクや将来の相続税負担を見越したアプローチを仕組み化します。
  • 「家族信託・遺言」への誘導管理: 登記相談時に伺った「お子様の有無」「不動産の活用予定」といった周辺情報をデータ化します。例えば、実家が空き家になる可能性がある顧客に対しては、将来的に必要となる家族信託や遺言作成の重要性を、適切なタイミングでメルマガや郵送物を通じて伝えていきます。
  • 属性別セグメント: 「不動産オーナー」「会社経営者」「遠方居住の相続人」といった属性を分けることで、その属性が最も関心を持つテーマ(法改正情報や資産承継など)をピンポイントで送れる体制を整えます。

3. 数年後を見据えた具体的な「掘り起こし」アプローチ手法

CRMに蓄積された情報を活用し、「数年後の再受任」を確実にするための具体的な施策を実行します。

  • ライフイベントに合わせた情報発信: 相続登記から数年が経過したタイミングで、「その後、お困りごとはございませんか?」といったフォローアップから始め、現在の健康状態や家族状況に合わせた「遺言作成」や「家族信託」の個別相談会へ案内します。
  • 2次相続対策のシミュレーション提案: CRMで抽出した「1次相続から一定期間が経過した顧客」に対し、2次相続が発生した際の登記手続きの簡素化や、節税効果に焦点を当てたコンテンツを提供します。これは顧客にとっての利益が明確なため、高い返信率が見込めます。
  • 定期的なニュースレターによる関係性の維持: 定型的な登記情報の配信だけでなく、法改正(相続登記義務化など)をフックに、「信頼できる相談先」として顧客の記憶に残り続けることが、いざという時の「再受任」や「紹介」に直結します。

・船井総研の提言:LTV重視の経営が「紹介」と「安定」の好循環を生む

既存顧客のLTVを高める戦略は、新規顧客獲得コスト(広告費)を劇的に抑えるだけでなく、事務所の信頼性を高める最高の手法です。 CRMを活用して「2次相続対策」「家族信託」「遺言作成」を組織的に提案できる体制が整えば、顧客は「単なる登記の代行者」ではなく、「一生涯のリーガルパートナー」として先生を認識するようになります。

デジタルを活用して「作業のための作業」を減らし、生まれた時間を「顧客の未来を考える時間」に充てること。このLTVを最大化させるためのCRM運用こそが、紹介が絶えない地域ナンバーワン事務所への最短距離となります。

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執筆者 : 士業ビジネス支援本部

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