独立する税理士の方が、失敗しやすいことの1つが「独立エリア」の選定です。
船井総研では、繁盛店がお客様から選ばれる理由を、
「船井流差別化の8要素」という8つの要素から分析をしています。
<船井流差別化の8要素>
1.立地
2.規模
3.ストアロイヤリティ
4.商品力
5.販促力
6.接客力
7.価格力
8.固定客化力
差別化の度合いが高い順に1つ目から8つ目までの差別化要素が並んでおり、
最も差別化の度合いが高いのが「立地」です。
独立後、立地は容易に変えることができないため、
失敗しないためにも、独立前にしっかりと検討しておくことが重要です。
今回は、これから独立する税理士の方が失敗しないために、
「独立エリア」の選定で考えて頂きたい2つのことをお伝えさせていただきます。
1.競合性が激しくないかどうか(競合調査の実施)
2.十分なマーケットがあるかどうか(対象顧客数と獲得シェア目標)
1.競合性が激しくないかどうか(競合調査の実施)
独立後に失敗しないためには、
十分な営業機会を獲得できるエリアを選択することが重要です。
例えば、東京には多くの人や企業が集中し、マーケットが大きいと考えやすいと思います。
しかし、『「税理士」不要時代(著者:渡邊浩滋氏)』という書籍によると、
全国平均の税理士一人当たりの想定顧客先数は54件であるのに対して、
東京の場合は17~18件であると言われており、競合性が非常に高いことがわかります。
つまり、マーケットが大きいエリアでも、競合性が高いと営業機会は減少し、
失敗する可能性があります。
但し、東京でもエリアによって競合性にはムラがあるため、
競合性が低いエリアを選べば、十分な営業機会を獲得することも可能です。
検討エリアの具体的な競合性を調査する際には、
特に「規模の大きな事務所」「有名事務所」「マーケティングに積極的な事務所」に
該当する競合事務所が、近隣にどの程度存在しているかを確認することが重要です。
万が一、該当するような競合事務所がある場合、
先にご紹介した船井流差別化の8要素である
「2.規模(=規模の大きな事務所が持つ差別化)」
「3.ストアロイヤリティ(=有名事務所が持つ差別化)」
「4.商品力~8.固定客化力(=マーケティングに積極的な事務所が持つ差別化)」
の要素から、競合事務所との差別化が図りにくいため、顧客から選ばれにくくなります。
上記より、独立エリア選定の際には、周辺の競合調査を行うことが必要です。
例えば、創業期の会社(新設法人)をターゲットにし、創業融資をフック商品として
集客を行う場合、「名古屋 創業融資」「名古屋 日本政策金融公庫」等の
「エリア × フック商品キーワード」でWeb検索を行います。
その際、検索上位にあがってきたHPは、ターゲットが閲覧する可能性が高い競合です。
それらの競合HPを確認し、どこに所在しているのか、規模はどの程度なのか、
実績はどの程度あるのか、マーケティングにどの程度積極的なのか、
等の観点から競合性の把握を行うことが重要です。
2.十分なマーケットがあるかどうか(対象顧客数と顧客獲得シェア目標)
一方で、競合性は低くてもマーケットが小さいと営業機会が不足し、
失敗する可能性があります。
そこで、独立エリアにおいて、ターゲットとなる対象顧客数のボリュームを調べ、
業界基準(実践されている事務所の成果)としてどの程度のシェアを獲得できるのかを
調べる必要があります。
例えば、創業期の会社(新設法人)をターゲットにするのであれば、
独立エリアにおける年間新設法人件数に対し、新設法人獲得シェア目標(基準)を
掛け算すると、マーケットの大小(妥当であるかどうか)が判断できます。
仮に、
・年間20件以上の新設法人獲得を目標とする
・新設法人獲得シェア目標を7%以上とする
ならば、年間新設法人件数が「300件以上」のエリアを選定する必要があります。
競合性を判断しつつ、ご自身の描く顧客数増加スピードに照らし合わせて、
上述した考え方により、十分なマーケットがあるエリアを選択するべきです。
本日お伝えさせていただいた「独立エリアの選定」に加えて、
「専門特化すべき分野・ドメイン」「集客のポイント」等、
独立で失敗しないために考えておくべきことはいくつかあります。
これから独立をお考えの方は、お気軽に弊社までご相談ください!
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