昨年から今年にかけて、「創業融資マーケティング」に取り組まれてきている先生が増えてきています。9月28日に弊社で開催した創業支援ビジネス研究会には70名を超える方がご参加されました。参加者の数が表すように、創業支援、中でも創業融資に強い関心を示す方は非常に多いです。
今回は、多くの方が関心を寄せる創業融資ついての最新事例を3つご紹介させていただきます。
(1)創業融資面談フローの標準化
創業融資申請を進めるに当たり、お客様の方で作成していただく資料が完成しないため、申請までの期間が長くなってしまうというケースがあります。
そういった場合には、お客様自身に創業融資申請資料の作成を任せるのではなく、面談時に一緒に作成を進めていくことで融資申請までのスピードを向上させることが出来ます。
それぞれの面談時に行うことは
・1回目:ヒアリング
・2回目:事業計画の数値づくり
・3回目:申請資料のチェック
になります。
基本的にお客様に任せておくことが多い資料作成ですが、こうすることで融資申請完了までスピード感を持って進めることが出来ます。
期間で言うと、融資申請まで2~3か月かかっていたものが、1ヶ月程度になります。
(2)創業融資申請資料のサンプル化
創業融資申請資料の作成にかける工数を削減でき、“1.5日~2.0日”から“0.5~1.0日”に圧縮することができます。
申請完了まで進めることが出来た申請資料をサンプルとして、次回以降の申請の際にお客様に参考例としてお渡しすることで、事務所側としても作成指導にかける時間が少なくなるため業務効率化を図ることが出来ます。
お渡しする資料のサンプルとしては、
・代表者略歴書
→ 代表者の創業に対する思いや過去の実績や経験
・事業内容書
→ どのようなコンセプトに基づいて事業を行っていくのか
・競合分析表
→ ターゲット・競合となる企業の概要・差別化のポイント
・損益計画表
→ 2~3期分の損益計画表を用意、売上予測の根拠
があります。
こうして各資料をサンプル化することで、創業融資申請資料の作成にかかっていた工数の削減が可能です。
(3)創業融資客への財務顧問
財務顧問は税務顧問とは別サービスになるため、税務顧問を提供している企業からも受注することができ、事務所の売上増加に繋がります。
税務顧問と財務顧問の違いは、税務顧問が試算表作成や決算申告など「過去」の情報に関するものに対して、財務顧問は役員報酬シミュレーションや今後の資金繰りなど「未来」に関する内容のサービスです。
フロントエンド商品の創業融資をきっかけに契約になった企業も、その後の手元資金に十分注意する必要があり、その部分を補うために財務顧問は効果的です。
ある事務所様は財務顧問を商品化して4か月で新規客6社へ導入、既存客に対しても5件以上の受注見込客がいらっしゃるということです。
サービスを行う際には、税務顧問の担当者とは別の担当者が財務顧問を担当します。
サービスメニューとしては、
・年4回の経営会議
・早期の決算対策や納税予測
・収支シミュレーション
等があります。
顧問先は税金より手元資金に対して関心が高く、満足度向上の効果があります。付加価値商品としては非常に有益です。
以上、創業融資の最新事例をご紹介させていただきました。
競合と差をつけるためにも創業融資という分野に取り組んでみてはいかがでしょうか。