会計事務所コンサルティングチーム 稲冨 彰宏(いなとみ あきひろ)
皆さま、こんにちは船井総合研究所の稲冨です。
士業事務所の経営者の皆さまで「若手の人材の定着」にお悩みの方は
いらっしゃいますでしょうか?
おそらくこの「問」にはほぼ100%の経営者が頭を縦に振られたのではないでしょうか。
そこで、今回は「若手の人材が定着しない理由」にスポットをあて、
これまでコンサルティングを通じて収集した「職員さんの生の声」を交えてお伝えいたします。
人材の定着がなぜ必要なのか?
前提として、人材の定着がなぜ必要なのでしょうか・・・?それは「業績アップのため」です。
業績が上がると、業務量が増加し、労働力が不足してくるため、採用します。
そして、その人材が成長し、長く定着してくれることで、
次の世代の育成も可能となり、さらなら業績アップが可能となってくるでしょう。
このサイクルの継続こそが、必要になってくるのではないでしょうか。
人材が辞める6つの理由
これまでのコンサルティングを通じて、若手の人材(職員さん)が辞める理由を大別しますと
(1)仕事:入社して半年経過しても同じ仕事をやらされ、自身が成長していると思えない
(2)賃金:入社して1年経過したけども、昇給しなかったが、
どうやれば給料が上がるのでしょうか?
(3)人間関係:入社して上司が所長で誰に聞けばいいのか分からない、
そして所長に聞いたら不機嫌で怒られる
(4)労働環境:毎日残業残業ばかり・・・ 残業代もでないし、
これがほかの会計事務所では普通なのでしょうか。
(5)事務所の将来性:将来的に事務所はどこに向かっているか分からない、
業績は上がっているのでしょうか。
(6)自分の将来性:入社して明確な目標が持てずにいます。正直これから年収は
どれくらいになるのですか?結婚・子供が養えるか不安です
の6つです。
どれかひとつが足りなくて、辞めるのではなくいくつかの要素が絡み合って退職を決意されます。
こういった要素が絡み合った事例として、「新卒が毎年辞める事務所」
「幹部候補が一番の繁忙期に3人一緒に辞める」「15人事務所で7人辞める」などがございます。
決してオーバーな話ではなく、頻繁にご相談としていただいております。
まずは自社の現状分析を行う
人材の定着にお悩みの事務所様に、まず一番に確認していただきたいことは、
「職員さんとしっかりと向き合うことができているか」どうかです。
定着率が悪い事務所様の特徴の一つとして、所長と職員さん同士が敵対関係になっているパターンです。
何をするにしても職員さんへの制度による防衛・回避策を考える必要があり、
より関係性が悪くなっているケースがございます。
こういった状況に陥らないためにも、職員さんとしっかり向き合うことから始め、
従業員満足度調査や外部機関との第3者面談自社の現状分析を行うことをオススメいたします。
注意点としては、職員さんに迎合するわけではなく、
特に職員さんが「不安」に感じられていることを解消していくことを
改善事項として検討していくことをオススメいたします。
いかがでしたでしょうか。
「若手の人材の定着」にお悩みの事務所様は、
一度自事務所を振り返ってみるのはいかがでしょうか。
稲冨 彰宏(いなとみ あきひろ)