2016年08月21日

紹介が発生する弁護士事務所の共通点

法律事務所コンサルティングチーム 阿部 悠紀(あべ ゆうき)

皆さまこんにちは。法律事務所コンサルティンググループの阿部です。
今回は「紹介が発生する事務所の共通点」というテーマでお伝えをさせていただきます。

法律事務所が実施をするマーケティングとしては、ホームページを中心とした、
WEBマーケティングが非常に有効なプロモーション手法となりますが、
それと同様に、紹介ルートの開拓も必要です。紹介による案件獲得は、
広告コストが掛からないだけでなく、仕組み作りができれば、
安定的に件数が見込める特徴があります。

コンサルティングをさせていただいている法律事務所においても、
事務所の中期戦略を考える上で、WEB以外の受任チャネルを増やしていく
ご提案を積極的に行っていますが、毎月コンスタントに
紹介を受けられている事務所とそうでない事務所とで、大きく差が出ている事実があります。

紹介ルートの開拓をうまくできている事務所には共通点があります。

1)最初の接点から二回目の接点を持つまでのスパンが短い
心理学において、「単純接触効果」という法則がありますが、
人は繰り返し接点を持つことで、相手に対して自然と好感を持つということがあります。
一度、セミナーや勉強会でお会いした方に対して、翌日には電話をして、
訪問を実施している事務所は、明らかにその後、案件の紹介を受けている確率が高いです。

2)定期的に接触を持つ機会がある
1にも通ずるところがありますが、一度の接点で終わらず、
定期的に会う機会を作れている事務所ほど、紹介案件を受けられているようです。
事務所によっては、営業担当の事務局を配置して、
定期的に関係先を訪問している事務所があります。

3)所長以外の連絡窓口がある
色々なところでよく聞く話しですが、「所長は常に忙しくされているので、
連絡をするのは気が引ける」という話です。

うまく案件を獲得できている事務所では、関係先ごとに、
代表以外の担当者を設けて、連絡窓口とし、気軽に相談できる体制を整えています。

4)どのような案件を相談・紹介できるのかを明示している
法律事務所によくあるケースが、「実際に弁護士に何を相談できるかがわからない」
「こんな基本的なことを相談しても良いのかと思い、躊躇してしまう」というものです。
敷居が高いと言われることの多い法律事務所ですが、
そもそも何を相談できるのかについて、明確にして示すことで、
相談のハードルを下げることが可能になります。

5)紹介した案件について、進捗や結果をこまめに報告をしている
実は非常に重要なのが、紹介を受けた場合に、その進捗や結果について、
可能な範囲できちんと報告をできているかということです。
当たり前のことのようにも思えますが、意外にもここで大きな差が生まれます。
紹介者としては、紹介をした責任や、その人との関係性があるので、
結果が気になるのは当然のことです。それについての報告が丁寧である事務所ほど、
信頼を得て、更に紹介が集まっているようです。

紹介案件の多い少ないは、属人的な部分が大きいと考えられがちですが、
うまくできている事務所をルール化していくと、共通点があるものです。

是非、所長の個人的な関係性でつながっているということではなく、
事務所としての仕組み化に取り組んでいただきたいと思います。

法律事務所コンサルティングチーム 阿部 悠紀(あべ ゆうき)

阿部 悠紀(あべ ゆうき)

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