会計事務所コンサルティングチーム 柴崎 智弘(しばさき ともひろ)
いつもありがとうございます。
今回は、最近特に質問を頂く、税理士事務所による葬儀社の開拓、そして葬儀社との関係を構築するためのノウハウについてお伝えさせていただきます。
私のご支援先の事務所でも、葬儀社と良い関係を築けている事務所は、安定的に申告案件を受注できています。
葬儀社からの相続案件は、すでに相続が発生している案件、受注確度も高く、ぜひ開拓したい紹介チャネルではありますが、一方で紹介が安定的に発生する関係づくりが難しく、なかなか紹介が発生しない、という課題もあります。
その理由として、以下の様な声を実際に頂いています。
・税理士を紹介した時に、良い対応をしてもらえないことがあった
・せっかく紹介しても、相続税がかからなかったら申し訳ない
・紹介したことがきっかけでクレームになってしまわないか心配だ
葬儀社の担当者に上記のような思いがあり、紹介がスムーズに発生しない原因となってしまっているようです。
そのため、クライアントの税理士事務所には、葬儀社を開拓するときには以下の3つをルールとしていただいております。
・葬儀社からの案件は、一旦どんな内容でも無料相談をお受け頂く
・相続税の申告にならない人でも、司法書士等の他士業と連携して対応いただく
・面談後は葬儀社の担当の方に、当日もしくは翌日にフィードバックを行う
上記の内容を理解し、実践することが、実は非常に重要なこととなります。
そして、上記の内容を踏まえて、葬儀社開拓をする手順をご紹介します。
①取材型営業DMを送付
→税理士に期待することをテーマとした取材依頼文を葬儀社に送付する
② 取材訪問
→DMに反応があったところについて、アポイントを取得
③ 課題ヒアリング
→取材の中で、相続サービスへの取り組み・紹介等の現状の課題とニーズのヒアリングを行う
④ パンフレットの設置の提案
→相続の手続き詳細を解説したパンフレットを作成し、葬儀社のサービスの一環として、設置を依頼する(場合によっては設置料も支払う)
⑤ セミナー・相談会協業開催の提案
→葬儀社の見込み客獲得のフォローをする中で、相続見込み客をつくっていく
⑥ 担当者との関係構築づくり
→会社としての付き合いだけでは効果は少ない。一人でも多くの現場社員との信頼性を勝ち得ることが重要である
→具体的には、各イベントを通じた親身な対応や、ニュースレターによる情報提供を通じた地道な努力により、信頼関係を築くことができる
⑦ 紹介案件の発生
以上の手順で、葬儀社開拓を進めていただきたいと思います。
その際に注意する点としては、「開拓」と「深耕」は分けて考える必要があります。
多くの事務所が開拓をすれば、案件がくると思い、実際に案件がくるまで深耕できずに断念してしまう事務所が多いようです。
具体的には、「開拓は」上記の①と②で、本当に大事なのは、③の課題ヒアリングから⑤の協業開催等を通じて、葬儀社の担当者としっかりと関係構築を築くことが重要なのです。
このコラムをお読みの皆様には、開拓だけで終わらずに、しっかりと深耕フェーズまで行っていただき、葬儀社のサービスの一部として、上手に協業することにより、定期的に紹介案件が入ってくる流れをつくっていただきたいと思います。
https://zeirishi-samurai271.funaisoken.co.jp/g00/0767
柴崎 智弘(しばさき ともひろ)