船井総研の富澤です。
本日は「デジタルが描く士業業界の未来」というテーマでお送りします。
近年、スマートフォン、SNS、センサー、人工知能(AI)、ロボット、ウェアラブル端末
などのICT関連技術が急速に進歩するとともに、
ビックデータを活用した取り組みへの関心が高まっています。
国の成長戦略である「日本再興戦略2016」においては、
今後の生産性革命を主導する最大の鍵はIoT、ビックデータ、人工知能、ロボット、
センサーの技術的ブレークスルーを活用する「第4次産業革命」であるとし、
GDP600兆円に向けた「官民戦略プロジェクト10」の1番目に第4時産業革命の実現が
掲げられるなどICTの活用がこれまで以上に重要な位置付けとなっています。
そのような中で労働集約型産業ビジネスがICTで劇的に
生産性を向上させる事例が出てきています。
本日はその事例をご紹介します。
その事例とは「元湯 陣屋 旅館」さんです。
https://www.jinya-inn.com/
陣屋さんはメディアなどで「負債10億」「劇的再生」「V字回復」
などといった打ち出しでよく紹介されている有名老舗旅館です。
その老舗旅館のV字回復を実現させたのが「ICTの活用による旅館運営革命」なのです。
実際にどのように運営しているかについてイメージを
お持ち頂くために是非、下記の動画を御覧ください。
いかがでしたでしょうか?
・車のナンバープレートからお客様名を自動で割り出し、
全従業員に数秒で共有し、お客様名を従業員が把握して迎え入れる
・ペーパレスにより通常チェックインを受付で済ませるところを、
陣屋さんでは客室に即案内し、タブレッドを使ってチェックインして頂く
・お客様との何気ない会話から苦手な食事などを聞きだしたら、
即座に音声入力、社内SNSで全従業員に情報共有、当日の夕食などに反映
古い業界慣習、経験と勘に頼った・属人的なオペレーションをICTにより
「情報共有し、活用」することでオペレーションを革新させています。
これらの他にいかに付加価値をつけて単価を上げるかということで
・高単価コースメニューの継続的開発
(革命当初の6,000円の価格帯から現在は35,000円の価格帯へ)
https://www.jinya-inn.com/databox/data/cuisine_ja/code
・コストセンターの圧縮(経理部門の圧縮)
・離職率を下げるために週休3日へ、研修などの充実による従業員の戦力化
など数多くの取り組みにより、業界平均3倍の労働生産性を実現されています。
またICTで合理化するだけでなく、業種のブラットフォーマーになり
自社開発したシステムを旅館やホテルに活用してもらうシステム会社も
立ち上げられています。
https://www.jinya-connect.com/
更にはその仕組を他業界まで水平展開されようとしています。
https://www.jinya-connect.com/databox/data/topics_trad_connect_ja/code
このようなICT活用による生産性革命は陣屋さん以外の他業界でも
成功事例が出てきています。
確実に訪れるICTによるデジタル革命。
その革命が訪れたときに今の業務の価値が一気になくなってしまうかもしれません。
大事なことはその時に備えて、付加価値を上げるための努力をし続けること。
そして、確実に訪れるデジタル革命が起こる未来に向けてどのような準備をするか。
そのためにはデジタルが描く士業業界の未来を
「知っているか」「見ているか」ということが大切だということで
本日は陣屋さんの取り組みを紹介いたしました。
2018年も第4四半期に入り、多くの会社で経営計画を策定する時期。
本日ご紹介した「デジタルシフト」も是非、計画に折り込んで頂ければと思います。
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2018年10月03日