船井総研の研究会に参加をされている多くの事務所では、
毎年のように弁護士採用に取り組まれています。
事務所として規模・質ともにレベルアップをしていくためには、
所長の頑張りだけでは限界がありますので、
いかにして所属弁護士に活躍してもらうかが、極めて重要な経営課題になります。
勤務弁護士のパフォーマンスを向上させるために、
特に意識すべきことを大別すると以下になります。
1)適正な目標設定・管理をサポートする
ただ目の前の事件をこなしてもらうだけでなく、
事務所の求める働きと所員自らが目指している方向性とのすり合わせが必要です。
目標は高過ぎても低過ぎても良くないので、
頑張らなければ達成できない水準で設定し、
定期的に振り返る機会を作りながら、その実現をサポートする姿勢が大切です。
2)能力・スキルの向上をサポートする
スキルアップのためには、一緒に事件処理を行うことが最も効果的です。
相談に同席してもらったり、裁判所に同行してもらったりする中で、
依頼者対応や相手方との交渉術など、
言語化が難しい部分のスキルについて修得してもらうことができます。
案件が増えてきて、一緒に事件を担当する機会が減った場合でも、
事件について検討したり、書面をチェックしたりといったこともすべきでしょう。
3)作業効率を下げる要素を取り除く
所長の目の届かない範囲で、
勤務弁護士が非常に非効率な仕事の進め方をしているケースは多く見られます。
これらは指摘をされないと、ずっと非効率なままになってしまう可能性があります。
特に、新人の頃は、書類管理やパソコン操作、電話対応といった
基本的な作業から指導する必要があります。
4)本業に集中できる環境を整備する
高いパフォーマンスを発揮するためには、業務以外の生活面の指導・管理も重要です。
過度な干渉は避けるべきですが、自身の過去の経験を踏まえ、
弁護士としての姿勢について話し合うことが大切です。
5)成果に見合う報酬を用意する
◯年目で年俸✕✕✕万円といった画一的な基準を設けるのは難しいですが、
個人の売上や働きぶりに対して、適正な報酬を用意しなければなりません。
特に、短期的な売上に繋がらない業務に対して、
事務所としてどのような評価、サポートをするかを示すことがポイントです。
以上、勤務弁護士のパフォーマンスを上げるためのポイントについて解説しましたが、
何よりも重要なことは、所長が勤務弁護士への指導・アドバイスに時間と労力をかけることです。
話を伺っていると、未だに、経営弁護士が勤務弁護士への指導を十分に行わなくても、
自分で勉強して実力を付けていくとお考えの先生も多いようです。
所長として、
「事務所のため、当該弁護士ために、自分の責任でパフォーマンスを上げさせる」
という姿勢がより一層求められていると思います。
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