2017年06月19日

法律事務所がマーケティングで気を付けるべき3つのこと(2017年度版)

法律グループグループマネージャーの鈴木圭介です。
今回のテーマは、
「法律事務所がマーケティングをする際に気を付けるべき3つのこと」についてお話をさせて頂きます。

マーケティングを実施する場合、事務所が置かれている立地特性・商圏特性を見極め、マーケティング戦略を構築することが重要になります。
正しい戦略を立てなければ、効果は半減してしまいます。
法律事務所の場合、他産業と同様に人口構成比率・産業比率といった人口及び企業の動態に影響を受けますが、最も影響を受けるのは、法律事務所数です。
正確には、マーケティング活動を実施している事務所数が最も影響を与えます。
今までは需要と供給のバランス上、競争が厳しくなっているとはいえ、多くの商圏では、需要の方が多いにも関わらず、法律事務所へのアクセス方法が分からず、相談に至っていなかったというケースが多い状況でした。
そのため、販促活動を行う、情報発信量を増やすこと≒多くの反響を得ることに繋がりました。

しかしながら、過払い金案件の減少及び寡占化、交通事故案件の減少及び寡占化が進んだことで、個人向けの案件を主としている法律事務所にとっては、多くの地方都市において、需要と供給のバランスが逆転しました。
供給過多になった商圏にてマーケティングをされる場合は、以下の3つの事柄について、特に考慮をして頂きたいと思います。

①比較を前提にマーケティング活動を行う

情報発信をする場合、比較広告にならない範囲で、自事務所の特長や大切にしていることを明確にすることが重要です。
また、面談誘導率、受任率や紹介発生率が低下する可能性が高いため、数値で把握し、常に問題点が無いかを分析し、対策を打ち続けることが重要です。

②勝てるポイント(長所)を明確にし、絞り込んでマーケティングする

比較を意識し過ぎてしまい、本来、自事務所が持っている強みを活かし切れていないケースは意外と多いです。
全ての事務所に長所は存在しますので、まずは自事務所がどのような長所を持っているかを明確にし、そのポイントを中心に据えてマーケティング活動を行うことが重要です。

③シェアを確保することを目指しマーケティング活動を行う

自事務所の商圏内において、注力している分野やマーケティング対象としている分野の案件発生数の中で、どれだけのシェアを自事務所が取れているかを把握することは非常に重要です。
シェアを高めることで、マーケティング活動の効率は大幅に改善されます。
市場の中で、26.1%のシェアを獲得することができれば、例外的な商圏を除き、その商圏において、マーケティング活動をしなくとも案件が溢れている状況を作ることが可能です。

地方都市における法律事務所のマーケティング活動は、都心部のような競争環境に徐々になりつつあります。
上記の3つのポイントを意識しながら、プロモーション(販促)を主体のマーケティング活動から、プロダクト(商品・サービス設計)を意識したマーケティング活動へ移行をしていくことが、今後のマーケティング活動においては重要になります。

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【この記事を書いたコンサルタント】

シニア経営コンサルタント 鈴木 圭介(すずき けいすけ)

2007年船井総合研究所 入社。2012年チームリーダー昇格。2016年グループマネージャー昇格。 法律事務所向けコンサルティンググループにおけるグループマネージャー。 全国で120以上の法律事務所が会員として参加されている法律事務所経営研究会主宰。 実務に精通した提案は弁護士会からも評価されており、2015年に開催された第19回弁護士業務改革シンポジウム第三部会においてパネリストを務め、福岡県弁護士会「木曜会」、岡山弁護士会においても講演実績を持つ。マーケティングに関するコンサルティングのみならず、受任率の向上や業務効率の向上、パートナー制度に伴う評価制度の構築に関するコンサルティングも行っている。

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