2020年01月23日

RPA活用による業績アップ!まずは自社活用から!

働き方改革への対応、事務所の業務効率化に向けて、昨年から会計事務所業界の中で、話題の業務自動化ツール「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」を導入・活用の検討をされている事務所が増えてきました。

また、RPAを自社で活用するだけではなく、「RPAを顧問先へ勧めていきたい!」「顧問先へRPAの導入支援をできるようになりたい!」という事務所様の声を最近よく耳にします。

弊社の研究会会員様へのアンケートにおいても、既にRPAを導入されている会計事務所様の約7割以上が「今後顧問先への導入支援をしていきたい」と回答されました。
※RPAとは何か、どんなメリットがあるかについては、弊社の2019年06月19日のコラム「生産性大幅アップ!ロボット(RPA)が大活躍する士業事務所のご紹介。デジタル最新情報」をご覧ください。

しかしながら、「今の段階では実際に何をすればいいのか分からない」「今後どのように顧客に勧めていけばいいのか分からない」というご不安がRPAの活用を検討されている事務所に多く共通しています。

ズバリ、そのようなお考えをお持ちの皆様がRPAを顧客に展開していくために必要なのは、自社でのRPA活用を確実に推進し、「小さな成功体験を積む」ことです。

船井総研が提唱するキーワードの一つに「ショールーム経営」というキーワードがあります。「ショールーム経営」とは自社で成功した事例を顧客へ展開していくという意味です。

「ショールーム経営」発想を持ち、RPAを顧客へ展開していくためには、まずは自社でのRPA活用を着実に進め、「小さな成功体験を積む」ことが最重要です。

例えば、とある業務の10%を削減といった小さな成功体験であれば、ハードルも低く短期間で実現しやすく、その後のRPA活用が軌道に乗りやすいです。

上記を踏まえて、実際にRPAを自社活用する際には、手当たり次第にロボット化に取り組むのではなく、必要なステップとその実施スケジュールを決めて推進することが成功の秘訣です。
今までRPAの自社活用に成功されている会計事務所は下記のステップで取り組んでいます。

 ≪自社活用フェーズ≫
STEP1:RPAツールの選定
STEP2:業務の棚卸し
STEP3:ロボット化の対象業務の特定
STEP4:ロボットの開発・稼働
STEP5:ロボットの浸透・定着

上記のステップを正しく、着実に踏むことで自社活用は必ず可能となりますが、その中でも一番のポイントとなるのは、「STEP3:ロボット化の対象業務の特定」です。

そこで、まず初めにロボット化の対象業務として検討すべきは、
・電子申告
・新規情報登録業務(新規顧客に関する情報登録等)
・月次業務
・季節業務(年末調整・確定申告)
です。

上記業務のロボット化を弊社では「船井ロボパターン」と表現し、現在、「船井ロボパターン」を通じて即時自動化へ成功する事務所が着実に増えています。

「自社活用フェーズ」の後、初めて顧客にもRPAを勧めていく「展開フェーズ」に移ります。
成功事務所は自社活用での成功を前提とし、下記のステップで顧客への展開を行います。

 ≪展開フェーズ≫
STEP1:既存トライアル先選定
STEP2:既存トライアル
STEP3:事例づくり・商品化
STEP4:集客設計・新規への展開

「展開フェーズ」を、大きく分けると、
1.STEP1及びSTEP2
2.STEP3及びSTEP4
の2つです。

1つ目は、既存の顧問先へのRPAトライアル導入を提案し、成功事例づくりに注力します。

まずは既に関係性のある顧問先で、自社活用で得たノウハウや経験も活用しながら、ロボット化しやすいバックオフィス関連の業務などのRPA導入支援を通して成功事例をつくります。

2つ目は、トライアルケースでの事例を商品化し、新規顧客の開拓を行います。

既に、RPA導入をテーマとしたセミナーを開催し、これまでに累計100名以上の集客に成功された会計事務所も存在します。

上記のようなRPAを切り口とした業績アップ手法の先行事例が着実に増えつつあります。

RPAを活用した業績アップに取り組みたい事務所様は、いきなり顧客への展開に取り組むのではなく、まずは自社活用から始めてみてください。

なお、2020年度の船井会計事務所経営研究会では、毎回の定例会において、組織・業務マネジメント、生産性向上、RPA等の最新テクノロジー・デジタル活用をテーマに、全国トップクラスの会員事務所とベストプラクティクスを模索しています。
当研究会にご興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

▼研究会の詳細はコチラ:

https://zeirishi-samurai271.funaisoken.co.jp/e00/0023

【この記事を書いたコンサルタント】

来田 卓哉(きた たくや)

新卒で船井総合研究所に入社。入社以来、住宅・不動産業界、士業事務所の業績アップに従事。 現在は、会計・税理士事務所向けに経理コンサル事業を中心とした会計事務所の業績アップ支援に従事。 近年の実績としては「経理コンサル事業単体で売上6,000万円を実現」「経理コンサル事業の継続的な二桁成長の実現」等がある。

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