2018年07月05日

「カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)」を考えよう

市場が成熟し、競争も激しくなってくる中で、
企業は自社の商品を機能や価格面だけで差別化することが難しくなってきています。

そこで注目されている戦略の一つが「カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)」です。
カスタマー・エクスペリエンスは製品やサービス自体の金銭的・物質的な価値ではなく、
それを使用した際の満足感や効果などの心理的・感覚的な価値のことで、
企業はオンライン、オフライン両方で顧客体験を高める動きを活発化しています。

競争が厳しくなっている士業においても、
ぜひ「カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)」の観点で、
マーケティングを考えてみることをお勧めします。
 
私が現在主にお手伝いしている相続分野のマーケティングにおいてご支援先に提案し、
取り組んでいただいていることの一つに、
一般高齢者向けの「遺言作成(生前対策)勉強会」の開催があります。
以前からご提案している相続案件集客のための相談会開催が、
ここ数年反響数が悪くなってきています。

それは、同様の取り組みを様々な業種で実施されていることが原因と考えていますが、
それから相談会だけでなく、午前中にセミナーを開催して、
そのあとに相談会を開催する形式で実施するようにご提案しています。

結果としては、相談会単独開催の時よりも集客数は2倍になり、
面談希望者もセミナー参加の40~50%程度を獲得できていますが、
それでも遺言作成などの依頼数は数件程度に留まっています。

これまでは、面談のみで終了し受任に至らなかった方やセミナーに参加したものの
面談に至らなかった方々などは、特にフォローを行わずという形でしたが、
そのような方々も「遺言作成」や「相続対策」に興味がないわけでなく、
様々な理由で受任や面談という結果に至らなかっただけで、
さらなる情報や家族との話し合いなどの行動に移せれば、
そのタイミングで面談や依頼に繋がるはずだ、と考えています。
 
そこで、「遺言作成(生前対策)勉強会」の実施です。
セミナー参加者や個別面談実施者のみを集めて少人数(15名以下)で
連続型(全2~3回)の勉強会を開催し、一方的に情報を提供するセミナー形式ではなく、
課題を与えて参加者に考えてもらう研修形式で実施しています。

コンテンツとしては、相続財産の把握や相続関係説明図の作成を行い、
全ての勉強会に参加すれば「遺言作成ができる」ことをゴールに据えています。

特典として、勉強会後に作成した遺言内容に不備がないか
専門家が無料でチェックすることを用意しています。
事務所側の観点では、それが無料相談客になります。
ある事務所で開催していただいたところ、第一回勉強会参加者17名、第二回13名、
遺言チェック(無料相談)9名を獲得することができました。
 
この取り組みは「カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)」の発想を取り入れた取り組みです。
「遺言作成(生前対策)」という取り組みを難しく考えさせず、
さらに、リスク回避のために仕方なく実施することではなく、
能動的に取り組むことで今後の人生が不安なく、楽しく送ることができるための準備を、
この勉強会を通じて体験していただくことに繋がります。

事務所としては、これまで特にフォローできていなかった客層を、
かなり確度の高い「見込客」に変えることができました。
 
 
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【この記事を書いたコンサルタント】

シニア経営コンサルタント 川崎 啓(かわさき けい)

新卒で株式会社船井総合研究所に入社後、多岐に渡る業界の経営コンサルティングに従事した後に、司法書士事務所専門コンサルティングチームへ。 現在は、全国20を超える司法書士事務所の経営サポートを行っており、その大半は相続業務を基軸に業績アップの提案を行っている。 WEBや紙媒体を駆使して、一般顧客からの受任を獲得するダイレクトマーケティング支援はもちろん、遺産整理や遺言執行などの業務導入を促進し、相続平均受任単価を倍増させる支援や、早くから成年後見業務の社会性、将来性、収益性の可能性を感じ、ご支援先に対して後見業務を切り口とした介護関係チャネルの営業支援を行い、業績アップ、永続成長事務所創りをお手伝いしている。 司法書士の社会的地位の向上を後押しすることをミッションとして、日々経営サポートに励んでいる。

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