士業事務所のお付き合い先は経営者です。その経営者の意識がコロナ禍で大きく変わっています。
大きくはこの3つではないかと思います。
1.抜本的なビジネスモデルの再構築
2.経営効果をよりシビアに求める
3.デジタルシフトに意欲的
もちろんどういう業種で、年齢はいくつで、現在の業績や規模などによって、この3つの意識は変わっていくと思いますが、一般的にはこの3つだと思います。
一つずつ解説し対応策を書いていきたいと思います。
1.抜本的なビジネスモデルの再構築
コロナ禍でこれまでのビジネスモデルでは業績が維持できないということはどの業種でも理解していると思います。だからこそ政府は事業再構築補助金を交付してビジネスモデルの構造改革を促しているわけです。
税理士や社労士は業績アップなどのサポートが出来ないとしても、資金繰りや財務面での安全性のアドバイス、補助金助成金の情報提供やサポートをするべきです。
有事の際になにもしてくれない顧問は不要なのです。
2.経営効果をよりシビアに求める
上記でも書きましたが、顧問業務のスイッチングがダイナミックに起き始めています。
これまでの顧問業務でも何か相談などが発生したときに対応していれば、顧問契約の継続ができていたと思いますが、経営者のコスト意識や経営効果をよりシビアに求めるようになっています。
顧問業務さえ獲得すれば、チャーンレート(解約率)は5%に満たない安定業務だと高を括っている士業事務所はもう生き残れない時代に入っていると思います。
3.デジタルシフト(DX)に意欲的
2にも書いた通り、コロナのお陰でもともと進みが遅い日本のデジタルシフトが5年は前進したと言われています。
これによって年配の経営者でも直接会わなくてもよく、ZOOMなどで遠隔MTGができるようになりデジタルアレルギーは消え、デジタルシフトやDXは過去に例を見ないくらいデジタルシフトを意識する経営者が増えています。
ただし、今経営者はRPAを導入したから、DX化したから“便利になる”、“見える化できる”ということでは反応しなくなっています。
便利になって見える化できたうえで【業績や数値効果があるか】、これが判断基準になっているのです。
ですから、たやすくデジタルシフトやデジタルツールの導入を提案しても、その経営効果を出す方法まで提案してあげなければなりません。
なにやらハードルの高いは話に聞こえるかもしれませんが、中小企業の経営者の意識がコロナ禍で明確に変わっているのです。
我々士業も経営者に寄り添うカタチで自らの業務を「デジタルシフトでビジネスモデルを進化させることを促しつつ、併せて経営効果を示す」というカタチに変容させなければいけないと思います。
但し、いきなりこのすべてが出来ないと思いますので、ファーストステップとしては1.抜本的なビジネスモデルの再構築や3.デジタルシフトを進めるうえで必要な補助金や助成金などのサポートから始める必要があると思います。