2018年03月16日

「組織化をするときにやってはいけない5つのこと」

こんにちは!船井総合研究所の稲冨です。
今回のテーマは会計事務所における「組織化」です。
 
税理士法人数が増えてきており「組織化」をしようとしている会計事務所が増加してきています。
ただ、組織化をしていく上で、失敗をされている会計事務所も少なくありません。
そこで今回は「組織化をするときにやってはいけない5つのこと」をお伝えしたいと思います。
 

【組織化を定義する】

よくご質問をいただくのですが、組織化とは何か?まずは組織化を定義したいと思います。
 

 
と定義をしております。
ここで1点、単に課長と部長を任命しただけで、
管理職としての仕事を行っていない=一般社員と仕事が変わらない場合は、
組織化0の状態でございますので、ご注意ください。
 

【組織化をするときにやってはいけない5つのこと】

組織化を進めていくことでの注意点としては、
 
□ 課長という「役職名だけ」を作ること
□ 管理職の役割を「明文化」していないこと
□ 「各部門の役割」を明確にしないまま組織を作ること
□ 管理職を任命するときに「売上・実務能力だけ」で選ぶこと
□ 管理職になると「担当が増える」仕組みになっていること
 
の5つです。
 
<課長という「役職名だけ」を作ること>
上述しましたが、これは最もやってはいけないことです。
結局課長になってもやることも変わらないのであれば、課長になる意味も見出せなくなり、
今後組織化を進めていく上では、弊害以外の何物でもなくなります。
そのため、一度管理職の役割を洗い出しする必要がございます。
 
<管理職の役割を「明文化」していないこと>
1つ目に付随いたしますが、課長・部長という職位がある場合には、
課長・部長それぞれの役割を明文化する必要がございます。
 
【代表→管理職】管理職の役割をやってくれない
【管理職→代表】管理職の役割を示してくれない
 
となってしまい、代表と管理職間で不和が生じます。
そのためしっかりと明文化する必要がございます。
 
一例ですが、
 

 
<「各部門の役割」を明確にしないまま組織を作ること>
30人規模の会計事務所の場合は、部門が2~3つくらいに増えているのではないかと思います。
そこでよくあるのが、この部門間不和つまりセクショナリズムです。
例えばこれは
Aさん「これは販売部門がやることではないのか!」
Bさん「いやこれは製造部門がやるべきだ」
のような状態が多くございます。

なぜこのような状況が起こるのか?
それは部門の機能を明確にしていないためです。
組織化は元より業績アップをより推進するために専門性を高め、
シナジーを生み出していくために行うことです。
しかしセクショナリズムが発生することで、逆にシナジーを生み出しづらくなり、
業績アップがうまくできなくなります。
 

 
<管理職を任命するときに「売上・実務能力だけ」で選ぶこと>
「功ある者には禄を与えよ、徳ある者には地位を与えよ」これは西郷隆盛の名言です。
(功績のある者にはより高い給与を与えよ。人徳のある者にはより高い地位を与えよ)
 
会計事務所でもよくあるのですが、管理職を任命するときに、
売上・実務能力だけで選ぶと99%失敗します。
もちろん一人前レベルの売上・実務能力がなければ管理職は務まらないと思いますが、
「社内で人徳があるのか?」という視点で管理職を選定する必要があるのではないでしょうか。
 
<管理職になると「担当が増える」仕組みになっていること>
会計事務所においては、管理職になると担当が
増える仕組みになっている時点で組織化は成功しません。
もちろん中小企業において100%マネジメント業務をすることは不可能です。
そのため、例えば課長であれば
プレイヤー:70% マネジャー:30%くらいに時間配分ができるように
担当件数も調整をする必要がございます。
 
いかがでしたでしょうか。
これから管理職の任命や組織化を進めていく会計事務所におかれましては
「組織化をするときにやってはいけない5つのこと」を踏まえて進めていただければと思います。
 

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【この記事を書いたコンサルタント】

シニア経営コンサルタント 稲冨 彰宏(いなとみ あきひろ)

役職:チームリーダー 幼い頃から土木卸業を経営する祖父の姿を見て育つ。 大学卒業後、大手システムコンサルティング会社に入社し、会計事務所向けシステムコンサルティングを経験。 在職中の業績達成率は100%を記録、優秀実績賞を3度受賞とトップクラスの成績を残す。 その後、会計事務所における採用・定着といったマネジメントの課題を解決する力を付けるため、船井総合研究所に入社。 船井総研入社後は、TKC時代より一貫して従事してきた税理士業界の経験を活かし、 従業員数5名規模の事務所から100名を超える事務所における評価制度構築・運用・定着を支援した実績を持つ。

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