2017年10月17日

競合環境が激しい税理士業界で勝ち抜くための、新しい創業支援サービスとは

■税理士試験合格者数は減少しているが…

近年、税理士試験受験者数、合格者数は減少の一途を辿っています。受験者数は過去5年間で約10,000人減少しています。

(※参考:国税庁HP)

受験者数及び合格者数の減少は、必ずしも人口減少の影響とは言い切れません。平成24年~28年の人口減少率は0.52%ですが、税理士受験者減少率は22.89%と、人口減少率以上に税理士受験者減少率の方が高い、というのが実情です。

「税理士業界も厳しい」「税理士は独立しても食べていけない」という情報も流れているため、税理士を目指す人が減少しているのかもしれません。

■税理士登録者数は増加。顧問獲得競争は都市部において激化している

税理士登録者数は年々増加しており、平成27年から平成28年の間では、1年で850人も増加しています。

税理士試験合格者数が減少しているにも関わらず、税理士登録者数が増加している原因は、弁護士・会計士の登録者数増加です。下記グラフから見ていただいてもわかるように、年々弁護士・公認会計士の税理士登録者数は増加しており、業界への参入が本格化しつつあるといえます。

弁護士・公認会計士の税理士登録者数推移(平成27年度「税務統計」【国税庁】)

税理士登録者数が増加している一方、中小企業数は減少しています。そのため、税理士1人当たりの中小企業数は減少してきています。

特に都市部では状況が激化しており、「東京の税理士一人当たりの想定顧問先数17~18件」という状況です。 (参考:渡邊浩滋(2016年)「税理士不要時代」幻冬舎メディアコンサルティング.)

税理士試験受験者数が減少するのも納得の「顧問獲得大競争時代」なのです。

(※参考:国税庁HP、中小企業白書(2016年版))

■顧問先を獲得するためには

このような状況の中で顧問先を獲得するためには、ターゲットを絞り、他事務所と差別化することが必要になります。

ターゲットの絞り方は様々ですが、「まだ税理士のついていない創業期の方」をターゲットとすると受注しやすいでしょう。

しかし、創業者を狙う会計事務所も増加してきています。皆様も「会社設立0円」という内容のHPを一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか?

会社設立手続き、決算申告単発サポートといった従来の創業支援は、もはやレッドオーシャンです。

また昨今、基本税務以外のサポートを打ち出す会計事務所も出てきており、創業客も会計事務所に対して「基本税務以外で何をしてくれるか」ということを見て、選ぶようになってきている可能性があります。

創業客に選ばれる事務所になるためには、手続き代行や基本の税務会計相談ではなく、より価値の高い業務にシフトする必要が出てきています。

■これからの創業支援は「創業融資」に注目!

会計事務所の価値がシフトしてきている今、より価値の高い業務である「創業融資」が注目の切り口です。何故なら、創業融資のニーズは高いにも関わらず、そのニーズに対応している税理士が少ないからです。

創業融資ニーズの高まりを示す1つのデータとして、今年2017年、日本政策金融公庫の創業融資実績は日本政策金融公庫発足以来、最高の実績を記録しています。
(※参考:日本政策金融公庫ニュースリリースhttps://www.jfc.go.jp/n/release/pdf/topics_170502a.pdf

またもう1つのデータとして、「起業準備者が直面している課題」を示したものが中小企業庁より出ています。「過去の起業関心者が、過去に起業を諦めた理由」の第一位が「資金調達が困難(32.0%)」です。資金調達ニーズはあるものの、うまく資金調達をできていない層がいることがわかります。

一方でそのニーズに対応しきれていないデータとして、「起業家が起業を諦めそうになったものの諦めなかった時の相談相手及び過去の起業関心者が起業を諦めた時の相談相手の状況」というデータがあります。起業家の回答を見ると、「公認会計士、税理士、中小企業診断士、経営コンサルタント」といった専門家に相談をしている人は僅か3.9%に留まっています。
(※参考:2017年版「中小企業白書」第2部 中小企業のライフサイクル)

これらのデータが示すように、創業融資のニーズは高いにも関わらずそのサポートをできている税理士が少ない、というのが現状です。よって、創業融資サポートを全面的に打ち出すことで創業者を狙う他の事務所と差別化することができ、集客をしやすくなります。

また、料金設定やサポート内容設定といった商品設計を工夫することで、顧問契約までスムーズに結び付けることが可能です。例えば、創業融資のみのサポートの場合と顧問契約セットの場合で手数料に差をつけたり、顧問契約セットの場合のサポート内容を手厚くし、創業融資実行確率をアップできるようにしたりします。

実際、従来型の創業支援では、1件の顧問先を獲得するのに販促コスト5~10万円を要しているところ、創業融資を切り口に集客を行っている事務所では、3.3万円の販促コストで顧問先を獲得できています。

単に顧客を獲得しやすいとういだけでなく、顧客から「○○先生のお陰様で創業融資を受けることができました」と非常に感謝されることも創業融資の特徴です。

どのように商品設計をするのが良いか、どのように創業融資をサポートしたら良いか、ということは、先駆者・成功者の方法を学ぶことが一番の近道です。

船井総研では、創業支援での差別化を積極的に取り組もうという会計事務所向けに、「創業支援ビジネス研究会」という勉強会を開催しています。

ご興味がある方はお問い合わせください。(※無料のお試し参加も可能です。)

■創業支援ビジネス研究会
https://zeirishi-samurai271.funaisoken.co.jp/e00/page-784

【この記事を書いたコンサルタント】

チーフ経営コンサルタント 坂田 知加(さかた ちか)

船井総合研究所入社後、会計事務所向けコンサルティングに従事し、法人顧問獲得での業績アップを行っている。 現在、年間200日以上の現場支援において、特に創業支援に特化したコンサルティングに定評を得ている。 中でもWebマーケティングを得意とし、月間25件の反響獲得、1件当たり\5,000以下での反響獲得等、費用対効果の高いマーケティングを実践している。

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