2017年11月07日

変わるオフィスの存在意義

こんにちは。士業グループの星野です。

先月、弊社主催「驚きのグレートカンパニー視察セミナー」に帯同し、米国東海岸を訪問して参りました。

そこで、5月の北欧視察に続き、世界的に「オフィスの存在意義」が変わってきていると感じた体験がありましたので、こちらで記載させていただければと思います。

オフィス=交流の場

経済・金融情報の配信、通信社・放送事業を手がける大手総合情報サービス会社「ブルームバーグ(Bloomberg)」の本部はニューヨークにあります。

本部は55階建のガラス張り超高層ビル「ブルームバーグタワー」に入っていますが、私が注目したのが、6階の共用スペース。ここのフロアには、ドリンク、ヨーグルト、フルーツから野菜まで置かれパントリーとして機能していますが、全部署の従業員がどこのフロアに行くにも必ずこのフロアを経由しなければならないのです。

東京も含め多くのブルームバーグオフィスがこのような構造になっていますが、一見無駄にも感じるオフィス構造の意図は、様々な部署の従業員がここに集まることによって、異なる仕事をしている者同士の交流を促進することにあります。オフィスを作業場ではなく、人と人との交流の場と捉えているのです。

オフィス=出会いの場

北欧スウェーデンの首都ストックホルム発のブロックチェーン開発スタートアップ「クローマウェイ(ChromaWay)」。設立からわずか3年、従業員11名にして、エストニア最大手の銀行LHV Pankとの送金アプリ「Cuber」共同開発をはじめ、金融資産プラットフォームのFunderbeamにも技術提供を行っています。

クローマウェイは、自社オフィスは持たず、コワーキングスペースと契約(しかも、ストックホルム市内に3箇所も)、必要に応じてコワーキングスペース内の会議室を借りています。この意図は、自前のオフィスを持つよりもコストを削減できる面もあるのでしょうが、それ以上に、同じコワーキングスペースを利用する企業との出会いを求めている部分があります。オフィスを、自社の技術をサービスに応用したいと考える企業との出会いを生み出す場と捉えているのです。

未来の会計事務所オフィス

インストール型の会計ソフトが一般的であった時代においては、会計事務所オフィスは、業務機器を集約させた作業場として機能する側面もありました。

しかし、クラウド会計をはじめとするクラウドツールの普及により、オフィスにおらずとも、書類の授受から申告書作成までクラウドを通してどこでも可能な時代になりました。もはや、会計事務所オフィスの作業場としての意義は薄れ、従業員同士が意見交換や議論をする場としての意義の方が高いと言えます。とすれば、そのような交流の生まれるスペースの設置が求められるでしょう。

または、現状では大都市圏に限られますが、コワーキングスペースを借り、そこを利用する起業家と出会い、そこからバックオフィス業務を支援するという流れも考えられます。稼働開始後においても、そもそも同じ場所で普段から仕事をしているのですから、リアルなコミュニケーションも充実します。今後、一事務所に一オフィスという概念が変わってくる可能性も考えられます。

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【この記事を書いたコンサルタント】

星野 佑介(ほしの ゆうすけ)

愛知県豊橋市出身。 早大院会計研究科修了後、2015年に船井総合研究所入社。 入社後は、士業事務所のWEBマーケティング、調剤薬局の薬剤師採用支援に従事。 2016年1月より会計事務所コンサルティングチームに本配属し、経理代行マーケティングを主戦場としながら、新設法人顧問獲得、税務調査案件受任においても、多くの成功事例を築いてきた。 また、豊富な海外経験をもとに海外視察クリニックにも積極的に参画。本年度は6月に実施したフィンランド・エストニアへの視察に帯同している。 現在最も注力しているテーマは、「クラウド会計を用いた経理代行」。会計事務所の現場にも積極的に足を運びながら、そのソリューション作りを進めている。

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