2019年に施行された「働き方改革関連法案」によって多くの企業が
従来の企業活動をそのものの見直しを求めれるようになりました。
今年の4月からは、この法案による罰則規定が中小企業にも適用されるようになり、
士業事務所のメイン顧客となる中小企業の生産性向上がとりわけ求められる
状況となりました。
このような時流において、単なる作業代行から一歩踏み込み、
多くの中小企業の課題である従業員の正確な労務管理や事業そのものの
生産性向上が今後さらに求められることが予想されます。
そして、この課題を解決するビジネスモデルこそ、「経理コンサル」となります。
2019年に多くの会計事務所が注目した「経理コンサル」ですが、
経理コンサルの中でもお客様の経理の体制を再構築するクラウド導入支援が、
経理コンサルを成功させるポイントです。
「クラウド導入支援」に関して、詳細に説明したコラムがございますので
こちらをご参照ください。
>>「経理コンサルを進める上で必要不可欠な”クラウド導入支援”とは」(2020年2月26日)
本コラムでは、「経理コンサル」の成功事務所が実施している
実際の経理コンサルの業務フローに着目してお伝えいたします!
1、「経理コンサル」の実践に向けて、現状ヒアリングがキーポイント!
クラウド導入支援が「経理コンサル」の肝であることをお伝えしましたが、
クラウド導入支援は具体的に以下の業務フローで実施しています。
【クラウド導入支援までの業務フロー】
1.現状ヒアリング
2.課題整理
3.業務フローの設計
「クラウド導入支援までのフロー」の通り、「現状ヒアリング」が最初のステップと
なります。サポートする会社の現状や今後の改善項目を把握していなければ、
次のステップである課題の整理や経理体制の再構築を行うための業務フローの設計を行うことができません。
つまり、クラウド導入支援を実施するにあたっては、サポートする会社の現状を
正確に把握するための「現状ヒアリング」がキーポイントとなります。
2、現状ヒアリングにおいて意識すべき3つのポイントとは
上述した現状ヒアリングにおいて、成功事例事務所では次の3点を重点的に
ヒアリングしています。
①業務プロセスの把握
経理の体制を再構築するにあたり、現状の業務プロセスを把握する
②ITリテラシーの確認
現在使用しているシステムやその運用方法などお客様の現状のITリテラシーの
確認を行う
③人的リソースの確認
システム導入後の新しい業務フローを進めていくにあたり、その運用上必要となる
「意思決定者」、「管理・監視していく管理者」、「実行担当者」の確認を行う
3、「経理コンサル」成功事務所が実践する「現状ヒアリング」の具体的な内容とは!?
ここからは「経理コンサル」で成功している事務所による「現状ヒアリング」の実践事例をもとに、
必ずヒアリングするべき項目をお伝えします。
①企業概要について
「企業概要」のヒアリングとは、普段お客様と面談をする際に必ずお伺いをする
「売上規模」や「従業員数」等の会社の基本情報のヒアリングを指しています。
その中でも、今回のヒアリングの際は、上述した「ITリテラシー」「人的リソース」の
基礎情報を引き出すことを目的とした項目です。
・預金、給与データを会計に反映(インポート等)or手入力しているかについて
・税理士指定の会計ソフトからの変更の可否について
・現在の業務フローにおいて主に利用しているツールについて
②売上発生の流れついて
ここでは主にお客様の売上発生後の業務フローやその管理手法を確認します。
特に多くの企業はこの項目に関し、業務フローの見直しを通しての生産性向上が
期待できます
具体的には、会計システムは変更できないが、請求回りのシステムは変更できる
といったお客様に対し、経費回りのシステム導入を提案することで、
クラウド導入支援の受注率向上や単価アップに繋げることが可能になります。
そこで、上記を実現するためにも下記項目のヒアリングをする必要があります。
・請求書発行のフローが標準化されているかについて
・請求書発行にシステム(Excel or 販管システム)を使用しているかについて
③支払いについて
この項目では支払い業務フローのヒアリングを通して、支払い業務の改善・ツールの
新規導入などを検討することを目的としています。
具体的には、下記項目のヒアリングをする必要があります。
・請求管理システムの有無
・毎月送付される請求書の件数について
・支払い方法について
・ネットバンキングは利用しているかについて
④勤怠管理について
ここでは主に企業の勤怠・労務管理状況をヒアリングします。
有給許可取得の義務や労働時間の正確な管理がより重要になっていく一方、
多くの企業がまだまだアナログな管理で結果的にこの労務状況全般の管理への
負荷がかかってしまっている実態があります。
上述した課題を解決するために、まずは現状の労務管理状況を確認します。
特に、勤怠管理の運用ツール(アナログ or デジタル)の活用状況やその
運用マネジメントを重点的に確認することで、結果、改善提案をしやすくなります。
そこで、上記を実現するためにも下記項目のヒアリングをする必要があります
・勤怠管理の方法(タイムカードやExcel、特定のツールなど)について
・勤怠管理者の有無について
・給与計算の管理・運用について
・勤怠申請フローについて
・従業員の有給管理について
・残業管理について
本日お伝えできた成功事例は極一部ですが、
クラウド導入支援に取り組んでいる事務所が集まる
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【執筆者:渡邊 誠】
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