2017年09月27日

職員のモチベーションを上げる!?人事評価制度を導入するときに押さえるべき3つのポイント

① 職員が15名と人数が増えてきたので、人事評価の仕組みを導入しようと考えている
② 人事評価制度を構築しようと考えているが、どのような制度が職員のモチベーションを上げるのかが分からない
③ 人事評価制度を構築し、うまく導入そして運用できるかが不安である
 
などのご相談を最近非常に多くいただきます。
そこで今回は、人事評価制度を導入するときに行うべきことを3つのポイントに分けてお伝えいたします。

【人事評価制度の導入が成功するかは、「構築の段階」で決まっている】
人事評価制度の構築プロセスに「職員を参加させる」ということが今後のスムーズな導入に不可欠です。
それはなぜでしょうか?
理由は、人事評価制度を実際に「使う」のは職員様自身だからです。経営者が勝手に構築した制度では、やらされている・監視されているという意識になってしまい、導入・運用がうまくいきません。
そこで人事評価制度構築プロジェクトとして、主に管理職もしくは管理職候補にプロジェクトメンバーとして参加してもらい、制度構築を一緒に行っていきます。
実際の運用では、管理職「自ら」構築した制度のため、成功させようという意識が生まれ、積極的に運用に協力してくれます。

もちろん人事評価制度のすべてを構築してもらうわけではなく、代表と管理職で役割分担を行います。
管理職には主に等級制度や評価制度を構築してもらい、代表は給与制度や処遇制度(賞与・昇給・昇格・昇進)を構築していきます。
こういったプロジェクトとして事務所全体で取り組むことで、導入・運用の成功確率は格段に向上していきます。
実際にこの構築プロセスで行った先では、管理職が自ら運用を行い、積極的意見を言うようになり、組織活性化が図れています。

【人事評価制度を構築して即導入・即運用は絶対にしてはいけない】
人事評価制度は構築して即導入・即運用はオススメいたしません。失敗する可能性が高まります。実際の導入・運用のプロセスとして、最低でも6ヶ月~1年間程度を「仮運用」期間として設定することをオススメしております。
人事評価制度の構築プロセスでも、あらゆるシミュレーションを重ねています。しかし、あくまで「仮説」です。この状態でもし制度の不具合が見つかり、ロジックエラーが起こっており、その結果がすでに賃金(給与・賞与)に反映されてしまっていたらどうでしょうか?

おそらく職員は二度とその制度を信用せず、今後の運用に苦労することは明確です。
そのため、一度と言わず二度は、実際に仮運用として賃金への反映までのシミュレーションを行い、「これなら大丈夫だ!」というところまで行い、本格的に導入・運用をすることが重要です。

【導入する前に、管理職に対して考課者研修と評価者会議を徹底する】
人事評価制度は、管理職が運用の要です。そのため、うまく導入・運用をしていくためには、管理職への人事評価自体への理解、人事評価の本来の「目的」、適正な「使い方」、正しい「評価方法」、「フィードバック」の仕方などが必須です。そのため導入前には、徹底的に考課者研修及び評価者会議を行うことをおすすめしております。
実際に評価をすると、管理職同士及び代表で必ずズレが生じます。そのズレが大きな問題になる可能性があります。
そこで、管理職には、考課者研修として「評価」に関する研修を行い、正しく自社に適した評価をできるように育成をしていきます。そして、育成をした上で、実際にプレで評価を行い、そのズレをできる限りなくすための「評価の擦り合わせ会議=評価者会議」を行っていきます。

上記の2つを徹底的に行うことで、正しく自社に適した評価ができるようになり、管理職⇔代表間で評価のズレが生じなくなり、スムーズな導入・運用ができるようになります。

いかがでしたでしょうか?

人事評価制度は「組織化・人材定着・管理職育成・人材育成」を行うのに最も効果的なマネジメントツールです。しかし、誤った導入・運用を行うと、逆効果になり、事務所自体を壊すことになる可能性もありますので、細心の注意が必要です。

今後人事評価制度の構築・導入・運用を予定されている方は、上記3つのポイントを押さえていただくことをオススメいたします。

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【この記事を書いたコンサルタント】

シニア経営コンサルタント 稲冨 彰宏(いなとみ あきひろ)

役職:チームリーダー 幼い頃から土木卸業を経営する祖父の姿を見て育つ。 大学卒業後、大手システムコンサルティング会社に入社し、会計事務所向けシステムコンサルティングを経験。 在職中の業績達成率は100%を記録、優秀実績賞を3度受賞とトップクラスの成績を残す。 その後、会計事務所における採用・定着といったマネジメントの課題を解決する力を付けるため、船井総合研究所に入社。 船井総研入社後は、TKC時代より一貫して従事してきた税理士業界の経験を活かし、 従業員数5名規模の事務所から100名を超える事務所における評価制度構築・運用・定着を支援した実績を持つ。

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