2021年03月12日

失敗しない士業DXの進め方(事前準備編)

いつもお読みいただきありがとうございます。
士業支援部 事業開発グループ 小川原と申します。
事業開発グループでは、士業DXを推進しており、その責任者を勤めさせております。
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皆様「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉はご存知でしょうか?最近では日経新聞や書店に並ぶにビジネス書でも「DX」という文字を見る機会が増えてきましたので、「名前は知っている」という先生方も多いのではないでしょうか?
では、「士業DX」とは何か?と聞かれると「???」という先生方もまた多いかと思います。そこで本日は「失敗しない士業DX(事前準備編)」というテーマでお送りさせていただきます。今後は、実行編、検証編と全3回でお送りさせていただきます。

まず、最初にDXという言葉の定義ですが、「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるという概念」(スウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授)ということでなかなかわかりづらいですが、士業向けに言葉を置き換えますと、「ITを積極的に導入し、士業事務所の本来の役割である専門知識を活かした顧問先や相談者の悩みを解決する」といえるのではないかと思います。

ごく稀に「ITツールを導入して、事務所をデジタル化すればDXだよね。」とお考えの方もいらっしゃいますが、あくまでもDXにおいてデジタル化は手段であり、目的ではありません。DXは「士業事務所の本来の役割である専門知識を活かした顧問先や相談者の悩みを解決する」のために取り組み、この顧問先や相談者の悩みを高いレベルでサポートすることでお客様に感動体験(CX:カスタマーエクスペリエンス)をしていただくことが目的です。
まずはこの点を正しく理解いただきたいと思います。

では、そのDXを失敗しないDXとして推進するにはどのようにすればよいかといいますと、ずばり「DXジャーニーMAP(=DXの設計図)」の作成です。(以下の図をご参照ください)

テーマ的に時流ということもあり、乗り遅れないために即行動に移したい気持ちはわかりますが、戦略がないままスタートすると目的を見失い、また取り組みの優先順位もつけれないため、空中分解につながります。
このようなDXジャーニーMAPがあれば、どこから着手し、どのようなITツールを活用するのかが見えるようになり、DXの成功確率も高まります。

DXジャーニーMAPの作る手順は以下の通りです。
①DXに取り組んで目指したいゴール(KGI)の設定
②それらを実現するための業務フローの洗い出し
③それぞれの業務フローで業績アップの基準となるKPIの洗い出し
④それぞれの業務フローで使用するITツールを洗い出す
⑤お客様に提供できる新たなCX(カスタマーエクスペリエンス)の設定する

この時に考えていただきたいのは「業務の見える化・見直しが先で、デジタルは後」の視点です。DXというのは今までの業務フローありきではなく、便利なITツールを駆使し、業務フローそのものを改善したり、見直したりすることで今までになかったカスタマーエクスペリエンスを実現することができるようになるのです。

まずは失敗しない士業DXの最初の一歩は「DXジャーニーMAPの作成」です。ぜひ一度事務所のDX戦略を立てて見られてはいかがでしょうか?

ここまでお読みいただきありがとうございました。

【この記事を書いたコンサルタント】

アシスタントコンサルタント 小川原 泰治(おがわら  たいち)

舶用機器メーカーを経て、2015年㈱船井総研へ入社。 入社以来、住宅・不動産業界のコンサルティングに従事。 その住宅・不動産業界での知識・経験を活かし、土地家屋調査士事務所のコンサルティングを得意としている。 「コンサルティングの答えは現場にある」をモットーに、土地家屋調査士事務所での測量業務を行う等、現場に入り込んだコンサルティングスタイルを大切にしている。 全国の土地家屋調査士事務所、30事務所50名の経営者と面談し、成功している土地家屋調査士事務所、選ばれる土地家屋調査士事務所のルール化も行っている。 土地家屋調査士業界の地位向上、認知度向上を果たすべく、日々コンサルティングを行っている。

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