会計事務所コンサルティングチーム 稲冨 彰宏(いなとみ あきひろ)
皆さま、こんにちは!
士業支援部 会計グループの稲冨彰宏です。
突然ですが、
皆さまの事務所ではここ1~2年で退職者は何名いましたでしょうか?
「クライアントは順調に増えているけど、反対に職員の退職が増加しており、
思ったより売上が上がっていない」
などの悩みを抱えている経営者はいらっしゃいませんでしょうか。
これまで人財開発(人事評価)のコンサルティングをしてきた中で、
様々な失敗事例が多くありました。
そこで今回は、事例を中心に退職防止のポイントを紹介いたします。
1.給料を上げる「だけ」では職員は定着しない
退職者が増加していくと、給料が低いからだと思い、
給料を上げて退職を防止しようとするケースがありました。
しかしこのやり方では、退職の防止には繋がりませんでした。
もちろん最低賃金スレスレの給料の場合は話が別ですが、
退職者が相次いでいる場合は、給料以外の理由で退職をしている場合がほとんどです。
実際にある事務所では全く効果がなく、退職者の減少にはつながりませんでした。
2.人材不足で入り口(採用時)で見誤る
人材が不足していると、人不足から開放されたい一心で採用に失敗する
ケースが多く発生しています。この理由は、「自社に合う」人材ではなく
経験者なのか、即戦力になるのか、などの視点で採用してしまい、
結果として社内を混乱させることになり、退職者が増えてしまいました。
3.職員に迎合するマネジメントでは結果として最悪なことに・・・・
職員に辞められたら困るという理由で、「ミスをしても指摘しない」、
「怒らない」、「代表自ら職員のミスを挽回する」 などの手段を取りがちです。
この方法では一次的な効果はありますが、
職員の退職を多少防げたとしても、最終的に売上が伸びなくなります。
なぜなら結局代表自身の業務量が多くなり、経営者業に専念できず、
根本的な解決にはなりません。将来の事務所経営を見据えた施策が後手にまわってしまうからです。
このような失敗をしてしまった方も少なからずいらっしゃると思います。
このような状況の中で、コンサルティングを行ってきましたが、
第3者として従業員満足度調査・職員面談を行っていく過程で明確になったことがあります。
それは、
職員は賃金だけではなく、
・自身の将来(年収、キャリアパス)がイメージできる
・仕事へのやりがい(仕事の中身)を感じることができる
・自身が成長しているか(定量・定性的な評価の仕組み)を確認できる
という点が、職員が退職せず長く働きたいと考える要因でした。
実際に行ったアンケートでも賃金面については、そこまで不満はなく、
「将来性・やりがい・成長」に不満が多く挙げられているケース目立ちました。
退職を防止し、長く働ける職場環境をつくっていくためには、
上記3点をしっかりと職員に対して示す必要があると考えています。
職員の退職はもちろん人によって様々な理由があります。
ただ賃金だけではなくそれ以外の理由で退職することを理解すること、
そしてしっかりと職員が安心して長く働く環境を作り、
それを職員に形(仕組み)として示すことが求められています。
今回ご紹介した失敗事例を「仕組み」で解決し、
職員の定着率が格段に上がっている事務所である
「むかい税理士法人 向智大氏」をお招きして、
その実践事例を紹介するセミナーを開催することが決定いたしました。
向智大先生は、これまで顧客増加・売上は順調に伸びていましたが、
職員の退職に非常に頭を悩ませていました。
今回はその悩みを解決するための仕組みとして「人事評価制度を導入」して、
退職を防止し、定着率アップを実現されています。
職員の退職に悩みがある事務所様はぜひセミナーへのご参加をオススメいたします。
稲冨 彰宏(いなとみ あきひろ)