2015年06月15日

士業事務所が定着率と生産性を上げる方法

社労士事務所コンサルタント 富澤 幸司(とみざわ こうじ)

こんにちは!船井総合研究所の富澤です。

今回は「定着率と生産性を上げる方法」についてお伝えします。

先日、顧問先1,000社以上抱える大手士業グループの社労士部門に取材に伺いました。

その部門は、数年前までは

入っては辞め、入っては辞め…

の繰り返し。

そこで、今の部門のトップが実践したことが

「コミュニケーションの量を増やすこと」です

ここでは個別面談を月2回最低30分

それ以外にも困ったことがあれば

一人で抱えず、電話でもメールでもいいのですぐに連絡をするようにと

トップがスタッフに伝えているそうです。

個別面談で相手に話してもらう内容は

仕事をしていて困ったことがないか

不満に思っていることはないか

という話から、プライベートで困っていること(例えば親の介護、恋愛相談まで…)

まで聞かれるそうです。

また、この面談でここのトップは相手が話をやめるまで聞き続けることを意識しているそうです。

トップがここまで徹底してコミュニケーション量を増やす狙いは3つあります。

1つ目はスタッフが抱えているプレッシャーを軽減させることです。

社労士事務所は所長が外出することが多くスタッフに仕事を丸投げになりがちなもの。

丸投げされたスタッフは誰にも相談できず自分で解決するしかありません。

自分で解決できるような自立したスタッフであればより成長できますが、

大抵の場合はこの事務所ではやっていけないという判断になり退職していくのです。

それを解決するためには、プレッシャーを抱え続けないよう、すぐに相談できる先を作ることです。

2つ目は安心して仕事に取り組める環境づくりです。

社労士事務所のスタッフは女性比率が高いものです。

女性はたいていの場合、家庭と仕事を両立させる必要があります。

両立をサポートするためには

プライベートの悩みまで聞き、環境を整え

仕事に集中してもらうことが必要なのです。

例えば、親の介護などの問題が発生したときは解決するまで勤務時間を変更するなどをして

仕事が続けられるようにするといった取り組みが例としてあげられます。

3つ目は
事務所全体で業務を円滑にまわすためです。

スタッフ一人一人抱えている業務量は日々変化します。

ある人が多量に仕事を抱えていれば一方で抱えている仕事が少量の人もいます。

トップに情報を集中させることで、事務所全体での業務量の調整が可能になるのです。

こういった取り組みにより、この事務所は離職率がほぼ0になり、

生産性が約600万円から約1,000万円まで上がったといいます。

(生産性向上の取り組みは他にもされています)

トップによる個別面談は20人ぐらいまでの規模であれば、

絶対に導入すべきマネジメント施策です。

まだ実践されていない方は是非取り組んで見られてはいかがでしょうか?




社労士事務所コンサルタント 富澤 幸司(とみざわ こうじ)

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