法律事務所コンサルティングチーム 川上 英秀朗(かわかみ えいしゅうろう)
今年も残すところ数日となりました。
今年最後のテーマは「経営方針発表会」についてお話をさせて頂きます。
以前に、こちらのコラムにて
「経営計画策定時に知っておきたい5つの構成軸と、9つの整理ポイント」を
鈴木よりご紹介させていただきました。
詳細はこちら:https://samurai271.funaisoken.co.jp/blog/index_24.html
来年の経営計画を作成された後は、是非事務所内で発表・共有していただくことが、
経営方針を実行する上では必要です。
そこで、年明けに「経営方針発表会」を実施していただくことをお勧めします。
経営方針発表会はその名の通り、
事務所の経営方針を所員の皆様の前で発表していただく機会となりますが、
ただ代表から経営方針を伝えるだけではなく、所員の皆様にその方針を理解していただき、
日々の行動に落とし込むところまで実施できると、より経営方針の達成に近づきます。
また、年始にこの機会を利用して事務所の一体化を促す機会としてもご活用いただけます。
経営方針発表会を開催するための5つのポイント
1. 開催時期
年始の1月に開催していただくことが理想ですが、2月でも遅くありません。
時期が重要ではなく「経営方針発表会」を実施することが大切です。
2. 開催場所
繰り返しになりますが、この経営方針発表会は方針を発表することが目的ではなく、
代表の考えを理解し、日々の行動で実践してもらうことです。
そのため日頃お忙しい事務所内では電話や来客の対応が求められがちなため、
あえてホテルや研修施設の会議室などで実施していただくことがお勧めです。
また、参加する所員の皆様にとっても非日常的な場所のほうが、
業務から離れて話に集中できます。
3. 参加者
この経営方針発表会の参加者は幹部だけでも良いのではと思われるかもしれませんが、
事務所の一体化を考える上では全員に参加していただくことがより効果的です。
意外に思われるかもしれませんが、パート従業員の方でも代表の考えや方針は
知りたいと思っている方が多くいらっしゃいます。
また、事務所の方針や代表の考えを知ることで、日頃の業務の生産性が高まる、
所員の定着率が高まるという効果が見込めます。
4. 個人発表
代表からの経営方針を行った後は、所員の皆様から来期の目標を発表していただく
「個人発表」の時間を設けてください。
この経営方針発表会を自分ごととして参加していただく上では、
時間は短くても全員が発表することに意義があります。
所員一人一人が事務所の一員であるという自覚を持ってもらう必要があります。
また、皆さんの前で宣言した目標は、実行する可能性が高まります。
5. ポジティブシャワー
こちらは各個人の発表の後に、付箋などに発表した方の「良いところ」、
「日頃の感謝・激励のメッセージ」を記入して渡します。
前向きな言葉だけを書くということがポイントです。
それを頂いた方はモチベーションが高まりますし、
所内でのコミュニケーションが増えるきっかけにもなります。
日頃のなかなか伝えることが難しいことのため、是非試していただきたい取り組みです。
ちなみに付箋に記入すると経営方針発表会の資料などにまとめて貼っておけるため、
紛失せずに見返すことが簡単に出来ます。
こちらの内容以外にも、
・前年に活躍した方を表彰する
・事務所のこれまでの歴史を紹介する
・事務所をより良くするための方法をグループで話し合い発表する
などを取り入れていただくことで、より所員の意欲を高め、事務所理解を促し、
事務所の一体化を進めることができます。
また、このような方針発表会にお付き合い先にも参加いただくと
より事務所を理解していただけ関係の強化にも繋がります。
従業員数が約20名のある法律事務所様は、ここ6年ほどで特定分野での圧倒的な実績を作り、
弁護士数も着実に増やされてきました。この事務所様は、経営方針発表会を活用して、
経営方針の浸透と事務所の一体化を行うことで、毎年の経営目標を達成してきました。
具体的には毎年1月に、ホテルの会議室などを借りて、
平日の午後を使いこのような内容を実施しています。
・これまでの歴史と次年度の経営方針発表 代表より
・今期の目標とアクションプラン 所属弁護士より
・まとめ 代表より
この会の冒頭では事務所の1年を振り返る動画を作成し、見てもらうことで参加する
従業員の意欲を高めています。また、終了後には懇親会も開催することで、
経営方針や各個人のアクションプランについて話をしながら懇親を深める機会にしています。
是非、経営方針を作成した後は、経営方針を実行に移し、
来年1年もより良いものにするためにも経営方針会をご活用ください。
今年も1年間、コラムにお付き合い下さり、誠にありがとうござした。
来年も宜しくお願いいたします。
良い新年をお迎えください。
川上 英秀朗(かわかみ えいしゅうろう)