会計事務所コンサルタント 山中 章裕 (ヤマナカ アキヒロ)
皆さん、こんにちは!会計事務所コンサルティングチームの山中です。
今回のコラムを担当させていただきます。
さて、今回のコラムは「来年度の計画」についてお話させていただきます。
個人の方は12月決算で今年の数字が締まり、一年間の振り返りをする時期になるかと思います。
法人化されている事務所の方は決算期はまた別かもしれませんが、やはり年の変わり目ということで一区切り付けつつ来年度の計画を考えられているのではないかと思います。
そして、来年度の計画を、「売上○万円突破!」「顧問先○○件突破!」「新規受注○○件!」という具合に目標設定し、
繁忙期を迎えつつも前向きなチャレンジを考えられている先生方が多いのではないかと思います。
私もこの時期にお客様とのお打ち合わせをさせていただくと、ほぼ必ず来年度の計画、目標の話となり、
上記のような高く、前向きな目標設定を沢山聞かせていただいています。
しかしながら、実はそれに向けたアクションプランを聞いていくと、意外とそこまで詰まっていない状況もよく見受けられます。
例えば、
お客様:「今年は50件越えたので、来年の目標は72件です!」
山 中:「いいですね!計画はどんな感じですか?」
お客様:「毎月6件受注していきます!」
山 中:「なるほど・・・媒体は?」
お客様:「やっぱりWEB中心ですね。」
山 中:「そうですよねー・・・。」
といった感じです。
もちろん、これが悪いわけではありません。
ただ、実現可能性を高めていくことを考えると、もう一歩踏み込んで考えておくことも大切だと思っています。
踏み込んだプランというのは、
・季節指数による変動を考慮した月次受注目標の設定
・月次受注目標の媒体別獲得数の内訳
・目標達成に向けた年間販促スケジュールの設定
・受注件数の増加に応じた採用計画の策定
こういった計画まで落とし込み、月次行動計画を立てていけるところまで進めることが重要だと思っています。
また、更にもう一歩踏み込んでいくと、
・各項目毎のKPI設定
・個人毎に設定したKPI設定
KPIの項目としては、DM配布数、新規営業件数、HP訪問者数、セミナー集客数などが挙げられるかと思います。
ここまで計画を落とし込めると、後は達成管理、行動管理のサイクルを回して行く流れが確立できます。
そこまで行けると、マーケティングは非常に”楽”になり、先手先手で物事が進められますので、
余裕を持って経営ができるようになってきます。
さて、その計画をより現実のものとするために必要なのが、「棚卸し」です。
・今年はいくらぐらい売上が上がったのか?
・どの媒体・経路から一番売上を上げられたのか?
・今年は何件新規の受注ができたのか?
・どの媒体・経路からが一番受注件数が多かったのか?
・うまくいった取り組みはなんだったのか?
・失敗した取り組みはなんだったのか?
・営業、採用がうまくいった時期はいつだったのか?
・営業、採用がうまくいかなかった時期はいつだったのか?
などなど、細かく分析すればするほどよいのですが、少なくても上記のことは抑えておく必要があります。
このデータが何年も蓄積されていれば、
「8月は受注が伸びないから目標はあらかじめ下げておこう」
「採用は4月までに終わらせないとどんどん厳しくなるな」
「3月が一番売上が伸びる時期だから、大変だけどここで攻めよう」
など、自社エリアに合った、力相応の計画が立てられるようになります。
今年もあと少しありますが、ぜひ年末年始の時間を使って今年の振り返りと来年の具体的な目標作りに
着手してみてください!
P.S
実は船井総研も、この計画作りを11月頃と6月頃の年間2回、合宿という形で毎年実施しています。
11月は来年1年間の計画作り、6月は半期終了時点での計画の修正と対策。
それ以外の期間は毎月のアクションプランの確認という形で、自分達の計画を進めています
準備の段階で綿密な計画が立てられていると、翌年のアクションは非常に安定して、よい成果を出せるようになります。