2018年07月12日

顧客ロイヤリティ戦略×顧客管理システムで業績アップ!

皆さま、こんにちは。
士業支援部 相続グループ 会計事務所のコンサルティングを専門にしている柴崎です。
 
顧客ロイヤリティ戦略、という言葉をお聞きになったことがありますでしょうか。
顧客ロイヤリティという考え方は、顧客満足度から派生した考え方で、
お客様との関係性を強化することで、商品の購入を促進させて、業績アップさせることが目的です。
顧客ロイヤリティは「お客様満足度が高くて良かった」だけではなく、
“利益”に直結しているということが重要な背景です。
 
「1:5の法則」・・・新規顧客に販売するコストは、既存顧客に販売するコストの5倍かかる
「5:25の法則」・・・顧客離れを5%改善すれば、利益が25%改善される
 
上記2つの法則をご存知でしょうか?
マーケティングの現場ではよく考えさせられる法則だと思います。
上記2つの法則から鑑みても、やはり顧客ロイヤリティを戦略的に上げていき、
事務所の業績を上げていくことが重要かと思います。
 
顧客ロイヤリティ戦略の中で、顧客ロイヤリティを上げていくために、
次の5つの手順で行うことが重要です。
 
①顧客データベースの構築と更新管理
→顧客データベース(顧客リスト)を構築して、これを適宜継続的に更新する。
②顧客ランク設定と各ランクの活動計画策定
→顧客ごとにランクを付けて、そのランクごとにプロモーションを考える。
③プロモーションの実施と効果評価
→プロモーションを実施して、実施前と実施後で効果を評価する。
→評価は数値データで行い、売上額と使用比率を中心に効果評価する。
④顧客ランクごとに次のプロモーションを策定・実施
→実施後の問題点や課題を洗い出し、次のプロモーションを考える。これを繰り返す。
⑤情報を共有し活用する
→営業担当者や関係者に情報をフィードバックして、それぞれの業務で情報を活用する。
 
この顧客ロイヤリティを上げていく取り組みは、
‟気持ち“ ‟思い“ ‟マインド“はもちろん大事ではありますが、
しかしそれだけでは向上していきません。
そこには、システムを活用して仕組みで回していくことが重要です。
 
私がご支援している事務所では、セールスフォースをベースに作られた
「CI(customer intimacy)革命」という顧客管理システム(CRM)を活用して、
顧客ロイヤリティを上げる取り組みをしております。
 
ここで重要なのは、税務会計で得られる数字の情報だけではありません。
以下のような情報収集を重要視しております。
 
1. 会社名
2. 担当者
3. 業種
4. 事業内容
5. 創業年数
6. 従業員数
7. 役員数
8. 売上高
9. 利益見込み
10.役員報酬
11.代表の生年月日
12.代表の家族構成
13.保険一覧表の有無
14.保険積立金の有無
15.事業保障の有無
16.借入額
17.資産査定評価
18.会社の方向性(3年後、5年後、10年後)
19.事業承継の方向性・考え方
20.検討内容等の記載欄(BANTC)
21.契約予定日
22.チェック項目(保険証券回収シート回収 等)
23.コンタクト履歴(案件ごとの打ち合わせ、1回目議事録、2回目議事録、3回目議事録)
 
最低限、全顧問先に関して、以上の内容の情報は把握しておきたいところです。
しかし、実際に現場に入ってみると、その情報を知らない監査担当者様が多いのが実情です。
まずは、顧客の事を知るというところに到達していないと、
よくある「うちの税理士事務所は何も提案してくれない」
という最低限の顧客ロイヤリティを守ることが出来ずに、
結果的に顧客離れを招いてしまうことになります。
 
顧問先離れを5%改善すれば、利益が25%改善されるのに、
顧問先の離脱が発生すると新規顧客を獲得するのにまたその何倍もコストがかかってしまう、
というループになってしまいます。
 
しかし、ただこの情報をシステムで管理したからといって、それでは改善されません。
システムは、あくまでもルールの上で動くからこそ、効果を発揮いたします。
ではどのようはルールを設けることが重要なのでしょうか。
 
それは
(1)監査担当は、顧客の情報はヒアリング・確認することを徹底させる
(2)顧客の情報は顧客管理システムにしっかりと入力することが職員としての責務である
(3)顧客の情報は提案するための情報であると認識する
(4)顧客に提案する内容を検討する会議(顧問先分析会議)を最低月間1回以上設ける
(5)顧問先分析会議で検討した内容を顧客に提案し、提案した内容をコンタクト履歴に残し、
  その内容をしっかりとフォローするところまで管理する
 
以上の5項目のルールを、マネージャーと、担当職員が共通認識をもち、
顧客管理システムを活用して運用していくことが重要です。
 
改めて確認すると
1、大事なことは顧客ロイヤリティを上げて、売上と利益をアップさせる
2、士業事務所にとって顧客ロイヤリティの一歩は
  業務の領域を超えて顧客(顧問先)のことを知ることにある
3、知りえた情報は顧客管理システム(CRM)を活用し、知る→検討する→提案する→受注する、
  という仕組み化していくことが重要である

 
いかがでしたでしょうか。
新規開拓ももちろん非常に重要です。
しかし、そこに「顧客ロイヤリティをいかに上げられるか!?」とエッセンスを加えることにより、
更に事務所の業績は向上しますし、顧問先からも尊敬される事務所になっていくと思います。
 
ここまでは「顧客ロイヤリティ戦略」の初級だと考えております。
次のステップとしては、既存客(顧問先様(に「自社・担当者に関するアンケート」をお送りする。
例えば
「自社・私を、ご友人やお取引様に薦める可能性はどれくらいありますか?」
「各種お手続きの方法や速さに関して満足されていますか?」
「税務会計以外のご相談ごとなどに対する対応に満足されていますか?」
などの項目を聞くものです。
 
ポイントは、NPS(ネットプロモータースコア)のやり方で算出します。
これにより、自社に対する評価を収集し、点数の低い項目について改善していくことで、
顧客ロイヤリティは上がっていきます。
ちなみに、船井総研でもお客様へのアンケートは電話も含めて力を入れて行っております。
 
 
以上最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
顧客ロイヤリティ戦略、顧客管理システム(CI革命)等について何かご質問がありましたら、
柴崎智弘までお気軽にお問い合わせいただけましたら幸いです。
 
 
船井総研士業グループ お問い合わせフォーム

【この記事を書いたコンサルタント】

マーケティングコンサルタント 柴崎 智弘(しばさき ともひろ)

役職:チームリーダー 埼玉県生まれ 大学卒業後、大手金融機関にて営業、インサイドセールスに従事。生命保険の営業には絶対の自信がある。 2011年に船井総研に入社して以来、IT企業、会計事務所のコンサルティングに従事。 現在は相続マーケティングを専門にしており、相続部門の立ち上げ、相続の売上を三倍にする実績を多数持つ。 Webマーケティングだけに限らずに、アライアンス構築を得意としており、継続的に案件獲得の仕組みづくりを得意としている。 マーケティングのコンサルタントから事務所の経営を任されるコンサルタントとして年間200日以上を現場で過ごす。 研究会:次世代会計事務所経営研究会 主宰

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