2018年10月30日

AI・RPAの追い風による士業の業務イノベーション

■AI・RPAにより士業の業務は本当に消失するのか!?

昨今、AI・RPAに関する話題を耳にしない日が無い?と言っても過言でないように思えます。
その中で「士業の業務は消失する」等、多方面で士業の業務が
AI・RPAにより代替される(無くなる)といった報道や調査データの結果を
目にする機会が少なくないように感じます。
 
2017年9月の日本経済新聞に掲載された記事によると、
・司法書士の登記や供託に関する手続き業務は78.0%
・行政書士の官公署に提出する書類の作成業務は93.1%
・税理士の税務書類の作成や税務相談の92.5%

がAI(人口知能)による代替可能性が高い(消失する可能性が高い)と発表されました。
加えて、RPA(ロボットによる作業代行)の国内市場規模は2016年時点で8億円に対し、
今から5年後の2021年時点では80億円を超えると言われています。
 
しかしながら、「将来、士業の業務は本当に消失するのか?」というと、大いに疑問を感じます。
 

■AI・RPAを味方に付ければ、業務イノベーションが起きる!?

AI・RPAの将来予測について、どのように捉えるべきでしょうか?
こうした状況下で、国内・国外、業界内・業界外を問わず、
業績を伸ばしている優良事務所・企業の一部では、
既にAI・RPAを自社に導入し、ヒトにしかできない業務を再考した結果、
業務イノベーションを起こしています。
 
まさに今、士業事務所の経営者は
「現在の主要業務は今後AI・RPAで置き換えられることを想定し、今後の主要業務は
 ヒトがやるべき付加価値の高い業務へ変えていく(業務イノベーションを起こす)」
といった発想が重要になると思います。
 
例えば、中小企業経営者の身近な相談役である税理士であれば、
・主要業務は“税務業務”に限らない
・経営・事業の継続(発展)へ直結する業務である
・単なる代行型業務ではない“提案型業務”である

といった点を押さえた“経営支援業務”へシフトすることが
今後の在り方の一つになることでしょう。
その結果、従来以上に中小企業経営者へ支持される事務所へ変わることでしょう。
 
実際に、“経営支援業務”として、
MAS監査・経理コンサル・財務コンサル・事業承継コンサル等、
従来の業務から踏み込んだ付加価値の高い商品・サービスへ
主要業務をシフトしている先行的な事務所も存在します。
その際には、現在の税務・会計や手続き・書類作成代行等の業務を
どのように「AIという頭脳」と「RPAという手足」へ任せていけるかが重要です。
 
「AI・RPAにより士業の業務が消失する!?」と騒がれている今、
AI・RPAを活用し、どのような業務イノベーションを起こせるか、
ぜひお考えいただけたらと思います。
 
 
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【この記事を書いたコンサルタント】

エグゼクティブ経営コンサルタント 鈴木 利明(すずき としあき)

株式会社船井総合研究所 士業支援部
グループマネージャー/エグゼクティブ経営コンサルタント
鈴木 利明

船井総合研究所へ入社後、会計事務所向けのコンサルティングに一貫して従事。士業支援部史上、最速・最年少でグループマネージャーへ昇進、初のエグゼクティブ経営コンサルタントへ昇級し、現在、会計事務所向けコンサルティンググループの責任者を務める。開業直後の税理士へ即効性のある顧問先開拓手法の提案、年商1億円突破に向けた事業戦略の立案及び実行支援、中堅・大手事務所向けに新しいビジネスモデルの構築支援等、会計事務所における業績アップコンサルティングを得意とする。

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