2019年01月31日

価格競争に巻き込まれない高付加価値経営へ転換を

法律事務所業界において、
2019年事務所経営を考える上で注目したい
2018年の傾向は以下の事柄がありました。
 
1.某全国大手事務所の支店展開ペース減少・支店減少。過払い市場の終焉。
2.交通事故案件成否の差が拡大。過払いライフサイクルの2012~2014年。
3.労働災害分野の動きが開始。注力開始事務所では、反響数が昨年対比倍に。
4.離婚分野参入事務所が増加し、特化サイトも増加し、無料相談も増加傾向。
5.売上減への危機感から町弁型でも顧問増を重視する事務所が増加傾向。
6.顧問契約継続に関する相談が増加傾向。顧問サービスの見直しが加速。
7.AIを活用したサービス(Review系・Discovery系)が一般運用開始。
8.弁護士ドットコム登録数1.6万人超、有料会員数も4000人超。
 クラウドサイン導入企業3万社。スマートフォン経由の閲覧数約80%。
9.予備試験合格者増加、弁護士求人数過去最大、関東・関西圏でシェア80%超
10.規模上位20事務所は5年間で860人採用。中堅事務所の拡大ペースは加速。

 
既存マーケットの競争が激しくなるという傾向は続いており、
ストック型の収益を上げる傾向が強まっています。
 
既存分野の市場は、多くが縮小し、競争は激しくなる一方なのか?
人財は大手に集まり小規模事務所は苦しくなるのか?勝ち目はもう無いのか?
弁護士は更に増員され、価格競争は更に激しくなり、稼働ばかり増えてしまうのか?
今までの販売促進を強化するだけで今後は大丈夫なのか?勝ち残ることはできるのか?
 
といった懸念を持たれる先生が多いです。
このような時代だからこそ、高付加価値経営にシフトすることが重要です。
 
今までは法律事務所の業務自体がコモディディ化しておらず、
高付加価値サービスでしたが、弁護士数が増え、需給バランスが逆転した現在では、
コモディディ化しつつあるという状況です。
 
成長期では、高いシェアを確保することを最優先しますが、
成熟期では、差別化商品を作り、高いプライシングができるかどうかが重要となります。
サービス範囲を適正化しつつ、付加価値を実現することが重要な戦略になっています。
 
高付加価値経営を実現する上で
実施すべきこととしては以下の4つが挙げられます。
1.弁護士は最も高付加価値のある事柄に集中する
2.非資格者の活躍領域を最大化する+新領域を付加させる
3.デジタル・TECHを活用し、今までできなかったサービスを実現する
4.分野特化による差別化レベルの経験数・業務処理件数を実現する

 
価格競争に巻き込まれない付加価値の高いサービスを構築することが、
最重要の戦略になります。
 
差別化のし難い業務を行っている事務所様であっても、
一度、差別化≒高付加価値化に向けて、戦略の再設計をご検討頂きたいと思います。
 
 
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【この記事を書いたコンサルタント】

シニア経営コンサルタント 鈴木 圭介(すずき けいすけ)

2007年船井総合研究所 入社。2012年チームリーダー昇格。2016年グループマネージャー昇格。 法律事務所向けコンサルティンググループにおけるグループマネージャー。 全国で120以上の法律事務所が会員として参加されている法律事務所経営研究会主宰。 実務に精通した提案は弁護士会からも評価されており、2015年に開催された第19回弁護士業務改革シンポジウム第三部会においてパネリストを務め、福岡県弁護士会「木曜会」、岡山弁護士会においても講演実績を持つ。マーケティングに関するコンサルティングのみならず、受任率の向上や業務効率の向上、パートナー制度に伴う評価制度の構築に関するコンサルティングも行っている。

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