2017年12月01日

士業が金融機関営業をかける際に最低限わかっておいた方がいい三つの常識

士業支援部の隣で、金融機関向けコンサルティングを立ち上げて
そろそろ2年が過ぎようとしています。
主に信金を中心にスタートしてきましたが、徐々に地銀、信組との
接点も増えてきており、ようやく業界用語にも慣れてきました。
士業のコンサルティングをしていく中で、特に司法書士は
金融機関攻略というのがど真ん中にあるため、改めて自身が
直接付き合ってみて、わかってきたことをお伝えしたいと思います。

①地銀と信金の動機付けは180度異なる

士業が金融機関に営業する場合、金融機関自身の案件というのは
そう多くありませんので、金融機関の融資先を紹介してもらう等、
大半は紹介営業ということになろうかと思います。
単発で1件ずつ紹介してもらうのであれば、営業店が相手ですが、
継続的な提携関係となると本部マターになります。

ここでよく狙っていくのが「ビジネスマッチング契約」という
銀行に手数料を落とす業務提携の形態です。
(紹介料は業法違反では?という話題は一旦ここでは
置いておきます)
新聞等で銀行が融資では利鞘が取れないため、
この手数料収入等で稼いでいくべし、という方向性に則った
アプローチの一つであり、この手数料+融資は銀行の時流にも
合っていると考えられます。

がこの提案を「地銀」と「信金」に出すと、相当反応が異なります。
と言っても一つの都道府県に地銀が2,3行、信金が5,6庫であることを
考えると、その反応の違いを感じるほどは営業の場数がないかもしれません。
我々金融コンサルティング部隊で恐らく30~40件訪問してみて
ようやく肌感覚でわかってきたのですが、

・地銀は株式会社、信金は協働組合であり、より資本の論理が働くのが前者
・地銀は都道府県商圏、信金は市町村商圏。後者の方が特定の事業者と組みづらい
・地銀は平均100店舗、信金は平均30店舗。前者はポイントで動機付け、
 後者はリレーションで動機付け
・地銀には業界内系列、信金は信金中金が統率。提携先の情報開拓も前者は積極、
 後者は受身

と、わかっておいた方が良い違いが少なくありません。

②金融機関には独特の事情がある

これは他の営業先にも言えることであり、
士業もそれぞれ独特な業態ではありますが、
金融機関でもわかっておいた方が良い前提条件がいくつかあります。

・異動が頻繁にあり、その職責に対する長期ビジョンを持ちづらい
・地銀は銀行法、信金は信金法と、独自法制に規定されている
・信金は取引先以上に出資者を大切にする傾向が強い
・バブル崩壊以降の20年間と、ここ数年の時流が180度変換
・預金が増えることをあまりコントロールできず、勝手にコストが増えてしまう。
 それ以外のコストに対して意識が集中しやすい
・士業以上に監督官庁への意識が強く、アドバルーン的な取組が増えやすい
 (面白いものの拡張性のない取組がPRされるため、実態が異なり惑わされやすい)

③興味のあるテーマはどこの金融機関も固まっている

金融機関に限ったことではありませんが、士業が提供できるソリューションで
それなりに興味を持ってもらいやすいのは下記の通りです。

・相続、遺言、後見、信託等、高齢者支援&空き家対策関係
・創業支援関係
・事業承継、M&A関係
・地銀は都銀の取組・商品、信金は地銀の取組・商品

ちなみに都銀を別として、地銀・信金で上記テーマで突き抜けている成功事例を
収めているのはほんの一握りしかありません。
割と広範囲にその成功パターンが広がったのがM&Aですが、
これは地銀というよりも日本M&Aセンターの影響が色濃いようです。

ちなみに、士業支援部の隣に、金融財務支援部というセクションがあり、
そこには金融機関出身のコンサルタントが10名以上在籍しています。
もし、攻略したい金融機関が定まっていれば、ご相談ぐらいには対応できますので
気軽にお問合せください。

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【この記事を書いたコンサルタント】

シニア経営コンサルタント 真貝 大介(しんがい だいすけ)

船井総研入社以来、徹底的な現場調査と具体的な業績アップ提案で、専門サービス業をはじめとした数々のクライアントを業績アップに導く。 士業マーケティングの本格化を機に、司法書士事務所へのコンサルティングを開始。 士業向けのコンサルティング部隊を10年で70名の部署に組織化し、全国で800事務所の研究会員が参加する「経営研究会」を法律事務所、会計事務所、司法書士事務所、社労士事務所、土地家屋調査士事務所向けに展開している。 近年は所員数100名を超える組織事務所のコンサルティングや、信用金庫をはじめとした金融機関向けコンサルティングを開始。

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