法律事務所コンサルティングチーム 吉冨 国彦(よしとみ くにひこ)
皆さま、こんにちは。法律グループの吉冨国彦です。
「顧問契約に関する明確なプランや費用体系を決める必要はあるのでしょうか?」という
ご相談を頂きます。明確に表記することには、メリット・デメリットの両面がありますが、
今後は、明確に決める事務所様が増えると考えられます。
また、顧客を獲得するという観点では、表記をした方が良いと考えられます。
明確なプランを提示しないということが、一般的ですし、実務上、
業務範囲を設定することが困難なために、企業規模や相談内容、
相談頻度に応じて適宜設定をされているケースが多いという状況です。
最近、増加傾向にある企業法務特化サイト上では、
複数のサイトを比較して判断することも多く、
プランや費用を知りたいためにサイトを調べている方が多いため、
明確なプランと費用体系を記載することは重要になります。
料金体系の平均値としましては、地方都市では、3万・5万・10万のプラン設定、
都市部では5万・10万・15万円のプラン設定をされています。
弁護士ドットコムの調査によると、弁護士を選定するうえでの判断基準として、
「その分野の専門ホームページ」で決めるという回答が最も高く、60.4%を占めていました。
「それは個人の方だけではないのか?」とお考え先生は多いかもしれませんが、
企業法務においても、顧問弁護士を探す過程においても、
ホームページで判断する方は増加しています。
また、閲覧の媒体も変化しています。
企業法務分野においても、スマートフォンの普及により、
かつてはPCからのアクセスがほとんどでありましたが、
最近はスマートフォンとタブレット合わせて80%以上のユーザーが
企業法務分野のサイトについてアクセスをしています。
PCから閲覧されるよりも、スマートフォンで閲覧される方が、
サイト上での「滞在時間」は短くなり、他の事務所のサイトと比較検討を
されることが多くなります。
比較購買をする中では、ホームページ上で明確なプランと費用体系を整備し、
可視化しておくことが、自事務所の顧問契約を選んでもらう上でも
重要な取り組みとなります。
プランを複数用意することで、より幅広い客層へのアプローチが可能になります。
プランを作成する上では、サービス範囲に合わせて
「松竹梅」といったように3つの価格帯のプランを用意することが有効です。
例えば、サービス範囲を以下のように区分し
・メール、電話、来所による相談の回数
・契約書の作成および見直しの枚数
・就業規則の作成および見直しの枚数
・内容証明郵便の送付数
・企業内研修講師費用の割引の有無
・弁護士費用割引の率
回数制限や枚数制限といった稼働時間に関する範囲設定や、
割引率によるサービスの区別も一つの方策となります。
経営の安定化を考える上では、顧問先を増やすことは非常に重要です。
顧問先を開拓する上では、まずは、事務所における顧問サービスの内容を決めることは、
最初のステップだといえます。
先日行われた第一回企業法務研究会で、参加いただいた事務所から
アンケートを取得したところ、
企業法務研究会に参加している事務所の平均値は3万円程度であることが分かりました。
業界の平均値とほぼ同じ結果となりました。
顧問サービスは徐々に多様化が進んでいます。
通常の顧問契約よりも提供しているサービス内容を強化することで、
船井総研のご支援先の事務所様では、地方都市ではありながら、
平均金額が5万円となっている事務所様や、60期代にも関わらず、
顧問先が60社以上あり、平均金額が10万円以上というケースもございます。
今後もより、サービスを強化する事務所様は増加すると考えられます。
自事務所の顧問契約プランの再考及び構築を行い、企業のニーズに即した内容に修正し、
改善をすることが顧問契約締結に繋げるうえで非常に重要な策のひとつになります。
まだ顧問契約プランを作成していない事務所様については、
ぜひ作成の検討をしてみてはいかがでしょうか。
★法律事務所の経営に関するご相談はこちらへ 法律事務所経営.com お問い合わせフォーム
吉冨 国彦(よしとみ くにひこ)