2021年04月28日

サスティナブルな事務所になるために

いつもご購読いただきありがとうございます。
船井総合研究所 士業支援部 小川原です。

最近SDGsやESGなどの言葉を耳にする機会が増えてきたかと思います。これらの言葉を訳すと「持続可能な開発目標」や「長期的な成長」と表現されることが多いです。
その中で今後の経営のキーワードになってくるのは「持続的=サステナビリティ」だと考えています。

ここでお読みいただいています皆様へ質問です。
「10年後、今のビジネスモデルで同じような売上を上げることはできますでしょうか?」
10年後には3人に1人が高齢者になりますし、そもそも当然のことですが、先生方も10歳年齢を重ねることになります。

多くの士業事務所では、5名未満の比較的小さい組織であることが多いです。となると当然ながら代表へ業務も集中しますし、属人的な業務が増え、「代表に何かあったら事務所が止まる」そんな状況になってしまいます。

そうならないために、10年後も成長できるサスティナブルな事務所になるために今から取り組んでいただきたいことを3つご紹介します。

①経営者のあらゆる価値観の落とし込み

多くの事務所では、経営理念やミッション、ビジョンはお持ちでことと思いますが、中には代表の頭の中にしかなく明文化されていないこともあるかと思います。経営理念とはその事務所が目指すべき方向性でもあり、存在意義でもあります。10年後も今と同じサービス品質やお客様からの評価を得るためには、その根本となる理念・ミッション・ビジョンを明確にしておかなければ「〇〇先生はよくしてくれたのに、後任の△△さんには・・・」ということにならないとは言い切れません。ですので、今のうちから事務所の根本となる「経営者としての考え方や想い」をお伝えすることもおすすめします。

②あらゆるものの見える化

事務所経営をしていく上で、様々な経営数値があります。売上や契約件数、処理件数、労働時間があげられるかと思います。この辺りの経営数値は皆様管理をされていますが、「取引先データ」は見える化されていますでしょうか?具体的には「名刺の管理」になりますがsansanなどのクラウド名刺管理ツールを導入している事務所はごく一部であると思います。名刺というのはお客様リストです。いわば「未来のお客様」となります。代表の先生だから知り合えた方々でも、今後事務所としてはお客様になる可能性を秘めているので、その顧客情報を代表のみで管理するのではなく、「事務所で管理する」ことが非常に重要です。10年経ってもお客様の対応ができる、誰が担当になっても同じ対応ができる、そんなサスティナブルな事務所は素敵です。

③あらゆるものの仕組み化

先ほど述べたように士業事務所は属人的になりやすい業界です。業務特性上、仕方ない部分もありますが、「その人しかできない業務」というのは非サスティナブルです。業務処理方法にしても、営業トークにしても「その人だからできる」のではなく、「誰でも一定の成果が出せる」仕組みを作ることが必要な時代になってきます。士業事務所の場合、代表1人のマンパワーで実現できるのは2億円までだと考えています。それ以上の売上を達成するためには、幹部の育成や採用などマネジメント面の課題が目につきますが、それよりも「売上が上がる仕組み」を作ることの方が大事になります。代表じゃなくても営業ができ、業務処理ができる事務所を作ることこそ、サスティナブルな事務所に向けての代表の仕事です。

今一度、この機会に「10年後、今のビジネスモデルで同じような売上を上げることはできるか」と問いていただければと思います。

近視眼的にならず、また世の中の流れを読み、サスティナブルな事務所を作る。経営者の皆様にとっては永遠のテーマかと思います。
大変なテーマですが、実現することで達成できる目標をイメージし、わくわくしながら経営することが今の時代には求められています。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

【この記事を書いたコンサルタント】

アシスタントコンサルタント 小川原 泰治(おがわら  たいち)

舶用機器メーカーを経て、2015年㈱船井総研へ入社。 入社以来、住宅・不動産業界のコンサルティングに従事。 その住宅・不動産業界での知識・経験を活かし、土地家屋調査士事務所のコンサルティングを得意としている。 「コンサルティングの答えは現場にある」をモットーに、土地家屋調査士事務所での測量業務を行う等、現場に入り込んだコンサルティングスタイルを大切にしている。 全国の土地家屋調査士事務所、30事務所50名の経営者と面談し、成功している土地家屋調査士事務所、選ばれる土地家屋調査士事務所のルール化も行っている。 土地家屋調査士業界の地位向上、認知度向上を果たすべく、日々コンサルティングを行っている。

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