2018年05月07日

顧問継続率を高めるために実施したい3つのこと

皆さま、こんにちは。
船井総合研究所の吉冨でございます。
本日は「顧問継続率を高めるために実施したい3つのこと」を書きたいと思います。
 
企業法務研究会が昨年3月に発足し、参加いただいている事務所様の多くで
順調に顧問契約を獲得されつつあるものの、
一方で顧問契約の解約数も一定数あることから、
新規で顧問先を獲得していくことと同様に、
「顧問先の顧問契約継続率を改善したい」という声を頂戴することが多くなってきました。
 
約20の事務所の先生方に個別でヒアリングをさせていただいたところ、
1年間の顧問解約率は、解約の多い事務所で約15%程度、
少ない事務所では0%、平均すると9%程度という結果になりました。
 
これは顧問先が50ある事務所で年間約4社~5社の解約ということになります。
新規で顧問契約をするためには、経営者との接点構築から顧問契約まで
長期の時間と労力が必要になりますが、
解約率を改善することで顧問契約の純増数を加速させることができます。
 
顧問解約率は事務所により大きく異なりますが、
顧問解約率が低い事務所には以下の3つの取り組みを実践していることが共通項としてあります。
 
①ニュースレターの配信
②定期勉強会の開催
③チャットアプリを活用した常時接続

 

①ニュースレターの配信

ニュースレターの配信頻度は、配信頻度の多い事務所で毎月、
平均的な事務所で四半期に一度、少ない事務所で半年から1年に一度が目安ですが、
定期的にニュースレターを配信している事務所の顧問継続率は高いと言えます。
 
実際、私も法律事務所の顧問先インタビューを20社以上行っていますが、
顧問契約の満足感としてニュースレターの存在を上げられる場合が数多くあります。
ニュースレターで知ることができる、「法改正の情報」や「最新判例」は
予防法務の観点からも役立つことが多く、
法律相談だけでなく顧問弁護士の価値を感じることが多いようです。
 

②定期勉強会の開催

顧問先や名刺交換先を対象にした、
小規模勉強会を行っている事務所も顧問継続率が高い傾向にあります。
 
テーマとしては業種横断で開催ができる
「長時間労働対策」や「問題社員対応」といった労務に関するものから、
「クレーム対応」や「自社で対応するための債権管理・債権回収」
といった内容も集客率が高く、満足度も高い内容となっています。
 
勉強会に参加することで、企業の経営活動に即時活かせる内容が人気であり、
そのような勉強会に参加できることも、
法律事務所と顧問契約を結んでいることのメリットとして捉えられているのではないでしょうか。
 

③チャットアプリを活用した常時接続

多くの経営者にとって、顧問弁護士といえども弁護士に対する“敷居”はまだまだ高いものです。
「こんな些細なことで相談しても良いのか」といった声は
多くの顧問先企業の経営者から聞くところであり、
一方で相談頻度が下がってくると顧問契約が解約になるケースも散見されます。
 
相談頻度を上げることは、顧問先企業にとっての満足度向上と
顧問弁護士の活用に繋げることができるため、
法律事務所側から意図的に相談頻度を増やす仕掛けが必要となります。
 
メールでも相談頻度を上げることは可能ですが、
最近増えているのがチャットアプリを利用した法律相談です。
チャットは枕詞を気にすることなく、顧問先企業にとっても
気軽に相談できるツールとして活用することができます。
 
法律相談がないことで接点がなくなり、顧問弁護士の活用がなくなる、
結果的に顧問契約が切れてしまう、ということは避けたいため、
チャットアプリを利用した常時接続は継続率改善に一役買うことができるのではないでしょうか。
 
いかがでしょうか?
 
その他にも、メールマガジンを配信している事務所や
年末に顧問先企業や名刺交換先企業を対象にした謝恩会などを開催し、
顧問継続率の向上に取り組んでいる事務所も数多くあります。
 
いずれにしても、全国の法律事務所において顧問弁護士が提供する
サービスラインナップの拡充と可視化が進んでいる現在では、
法律相談だけに留まらないサービスの提供が顧問契約継続のカギになることは間違いありません。
 
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【この記事を書いたコンサルタント】

チーフ経営コンサルタント 吉冨 国彦(よしとみ くにひこ)

船井総合研究所 入社後法律事務所コンサルティンググループに配属。 法律事務所の企業法務・顧問案件の獲得を専門領域として担当している。 顧問先の開拓に成功している数多くの法律事務所の事例を把握しており、 特にこれから企業法務分野を強化する予定の法律事務所におけるマーケティング戦略を得意としている。 商工会議所での講師依頼獲得実績や、士業事務所向け営業セミナーでの講演実績などがある。 前職では大手教育企業において、留学営業部で営業部長を務める。 約30名のメンバーを統括し、事業計画の策定や新商品開発・マーケティング戦略に従事。 グループの首都圏採用の面接官を努め人材採用から育成、定着に関する経験を持つ。

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