法律事務所コンサルティングチーム 阿部 悠紀(あべ ゆうき)
皆さま、こんにちは。法律事務所コンサルティングチームの阿部です。
来期に向けて経営計画の策定に取り組まれている事務所様も多いと思います。今回は「経営計画作りのポイント」についてお伝えいたします。
■経営計画の意義
・客観的な現状認識
経営計画立案の前提となるのは、客観的な経営状況の現状認識です。事務所経営を行なっていく上で、現在の事務所の強みや弱み、市場でのポジショニングなどを客観的に現状認識すること自体に大きな意味があります。
・事務所が成長発展していくために・・・
毎日の仕事に追われながら、なりゆきにまかせて経営をしていては、将来にわたってよい成果を生むことはなかなかできません。急速に変化する経営環境に適応できなくなってしまい、存続を危うくする可能性もあります。
事務所を成長発展させるためには、「どんな事務所を創りたいのか」というビジョンをできるだけ明確にイメージし、それに向かって計画を立て、行動することが重要です。
・所員が安心して働き、一体化し、1人1人が成長していくために・・・
事務所経営者は所員の生活を預かる身です。所員に安心して働いてもらうためにも、事務所が何を目指しているのかを示すことは重要です。
また、事務所が目指す方向性を明らかにし、1人1人の役割を明確にすることで、所員が一体化して、ビジョンの実現に向かうことが可能になります。
更に、経営計画に示された事務所のビジョンの中で、所員1人1人が成長計画を描くことが可能になります。
■経営計画の構成(基礎)
1.理念
2.基本方針
3.事務所の歴史
4.ふりかえり(現状分析)
数値分析・・・収支(損益)・案件数・分野別・ルート別・弁護士別
定性分析・・・定性的な目標の達成度・行動計画の実施状況
5.中期計画
数値計画・・・収支(損益)・案件数・分野別・ルート別・弁護士別
マーケティング設計・・・商品・集客・相談・業務
マネジメント設計・・・組織づくり・採用・育成・定着・評価・処遇
行動計画(タスク&スケジュール)
■経営計画作りのコツ
・ステージを意識する。
まずは事務所が現在置かれているステージを意識することが重要です。組織として成熟している状態なのか、これから成長させていく段階なのかによって、打つべく施策は大きく変わってきます。また、量を追求する時期なのか、質を追求する時期なのかにとよっても、マーケティングの仕方が異なります。まずは客観的に事務所を分析することが最重要です。
・計画の目玉を作る。
今年度の目玉となる施策を決定することが重要です。計画の核となるテーマを定め、それに付随した行動計画を決定していくことです。
・「捨てる」ものを作る。
計画策定をしていると、どうしてもあれもやりたい、これもやりたいとなりがちですが、それでは結局何も達成できません。絶対に達成したい核が決まったら、それを実現するための施策に注力し、それを阻害する要因はどんどん捨てていくことが肝要です。
■経営計画を実行に移すために
個別コンサルティング先などにご提案をさせていただいているのは、経営方針発表会の実施です。策定した経営計画を所員に共有し、理解してもらうことで、実行確率が高まります。経営方針発表会では、所長からの情報発信だけでなく、所員の皆さまにも、今年度の目標・行動計画についてお話しいただく機会を作ることも大切です。
年末の時期ですので、ぜひ経営計画作りにチャレンジしていただきたいと思います。
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