法律事務所コンサルティングチーム 岡田 弘毅(おかだ ひろき)
皆さん、こんにちは。船井総合研究所の岡田弘毅(おかだひろき)です。弁護士業界を専門にコンサルティングさせて頂いております。前回は動画マーケティングについてお伝えさせて頂きましたが、本日私からは「USPの訴求」をテーマにお伝えさせて頂きます。
1.今や比較されて当たり前の時代
今やWEBマーケティングに取り組むことは珍しいことではなく、事業を営むにあたって取り組む当たり前の取り組みになってきました。そのため、各地で生じてきている問題がサービスの比較です。
マーケット規模に対してマーケティングを行っている方が少ない導入期・成長期であれば、適切な形で情報発信さえすれば集客は可能ですが、成長期から成熟期に差し掛かった場合、依頼者はよりサービス内容やサービスの提供者を比較するようになります。AISCEASの法則などが一般的ですね。
※AISCEASの法則
Attention(注意)
Interest(関心)
Search(検索)
Comparison(比較)
Examination(検討)
Action(行動)
Share(情報共有)
現在、どの士業も日に日に競争は厳しくなってきており、成熟期に差し掛かっている士業事務所も少なくありません。つまり、他事務所との”比較”をされることを前提として、マーケティング活動を行わなければ、依頼にはつながりにくくなっているのです。
ここで大切なことは、”選ばれる理由”を訴求することです。では、選ばれる理由とは、どのようなことなのでしょうか?
2.比較される時代でお客様から”選ばれる”ための秘訣
船井総研では、お客様から選ばれるための理由を、以下の8つの切り口でご紹介しています。
※船井流差別化の8要素
1.立地
2.売場面積(人数)
3.ストアロイヤリティ(歴史・ブランド)
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4.商品力・展開力(サービス内容)
5.販促力・企画力(WEB、DM、セミナーなど)
6.接客力
7.価格
8.固定客化
1~3は戦略的差別化要素と呼ばれ、なかなか変えることが出来ない差別化要素です。1~4は戦術的差別化要素と呼ばれ、戦略的差別化要素と比較し、比較的変えていくことが容易な要素です。
これらの8つの要素をしっかりと訴求していくことが、お客様から選ばれるための秘訣になります。
これらの要素をしっかりと訴求していくときに必要なことが、”USP(独自固有の長所)”という発想です。いくら事務所の特徴で最も訴求できるものがあっても、他事務所と同じような特徴であると、お客様からは選ばれません。お客様から選ばれていくためには、事務所”独自”の”長所”が特徴として訴求されていく必要が不可欠です。
ただ、このような話をするとき、よく「うちは普通の事務所だから、特段独自固有の長所なんてないよ」というお声を伺います。しかし、決してそのようなことはありません。どのような事務所であっても、独自の長所は必ずあります。また、独自の長所は自分自身では気づくことができない長所であることも少なくありません。
3.独自固有の長所の見つけ方
船井流の差別化の8要素に基づき、それぞれの切り口で棚卸をしていくことで、自所の長所を見つけることができます。また、競合と比較をした場合、自所の長所を改めて気づくことができるものです。
さらに、それでも長所が見つからないという場合は、ジョハリの窓を活用されることをお勧めします。
※ジョハリの窓
ジョハリの窓とは、自分で認識しているものと、他人からしか分からないものとを客観的に整理する方法論です。ジョハリの窓を使えば、自分自身が気づいていない、他人から見た場合の独自固有の長所に気づくことができます。
このような切り口から、他事務所にはない自所独自固有の長所とは何なのかをお考え頂き、事務所の長所をお客様に向けて情報発信して頂くことで、お客様から選ばれる事務所にしていくことが可能になります。ぜひ皆様の事務所におかれましても、自所の特徴をしっかりと訴求できていない場合は、本日ご紹介させて頂いたような考え方を用い、一層お客様から支持される選ばれる事務所づくりを行っていただけますと幸いです。
岡田弘毅
岡田 弘毅(おかだ ひろき)