会計事務所コンサルティングチーム 大西 哲司（おおにし さとし）
近年、新規顧問先を獲得し続けている税理士の共通点の一つとして、「Web集客」が挙げられます。
「Webをなんとなく知っているけど、よく分からない…」という方が大半の中、
数少ない税理士のみが「Web集客」で成功しているという事実があります。
そこで、今回はWebに力を入れたい税理士なら必ず抑えておきたい「Web集客」について、
“HPへのアクセス数増加”という視点から具体的手法を２つご紹介いたします。
１．リスティング広告とSEO（自然検索）
既にご存知の方も多い「リスティング広告」と「SEO（自然検索）」について、
各特徴を簡単に整理しますと主に下記の違いがあります。
【リスティング広告】
・1クリックあたりの費用が発生する（クリック課金型）
・即効性がある（広告を掲載すれば即上位表示が可能）
【SEO（自然検索）】
・1クリックあたりの費用が発生しない（非クリック課金型）
・即効性がない（時間の経過が必要なため即上位表示は不可能）
リスティング広告は1クリックあたり費用が発生しますが、狙ったキーワードに対して
広告を掲載することが可能であるため、HP公開直後より問い合わせを獲得するためには欠かせない手法です。
一方でSEOは、上位表示させるためには数ヶ月間～年間単位での時間が必要となり、
HP公開直後よりSEO単体での集客は難しいと言われています。
しかし、リスティング広告を中心としたアクセス数の確保やHPコンテンツの拡充により、
中長期でSEO上位表示を狙うことが可能です。
また、切り口や上位表示を狙うキーワードによって、
費用体効果の良し悪しが異なることを抑えておく必要があります。
例えば、とある事務所の「創業支援（新設法人の獲得）」をテーマとしたHP運用において、
「会社設立」系キーワードでの問い合わせ1件あたりの獲得コストは
15,000～20,000円程度が目安だったとします。
一方で、同テーマHPの「資金調達」系キーワードでの問い合わせ1件あたりの
獲得コストが10,000円以下という結果が出ました。
この場合、「資金調達」系キーワードのほうが費用対効果は良いと判断でき、
「会社設立」系キーワードより「資金調達」系キーワードに予算を多く割くことになりました。
上記のように、切り口や上位表示を狙うキーワード別の費用対効果を定期確認し、
費用体効果が良いキーワードに予算を集中させることが運用のポイントです。
２．ディスプレイ広告
Web集客に力を入れている事務所では、リスティング広告及びSEO（自然検索）以外に
「ディスプレイ広告」を取り入れることが多くなってきました。
ディスプレイ広告とは、検索エンジンに表示される広告ではなく、
各HPの広告枠に掲載される広告です。画像広告が主流ですが、
文言で広告を配信することも可能です。
ディスプレイ広告の特徴としては主に下記が挙げられます。
・リスティング広告と比較して低コストでHPへのアクセス数を伸ばすことが可能
・リスティング広告と比較して広告が表示される回数（露出の機会）が多い
・過去自所HPへ訪問したユーザーへの広告配信が可能（追客が可能）
・追客の他、指定したキーワードに関連性の高いHPへの広告配信や
特定の興味関心があるユーザーへの広告配信も可能（≒潜在層への広告配信も可能）
実際に、ディスプレイ広告を運用されている事務所の事例をご紹介します。
以前リスティング広告のみ運用していた時は、とある月の広告表示回数が11,516回でしたが、
ディスプレイ広告を導入した結果、広告の表示回数が100倍以上の1,537,032回に増加しました。
また、平均クリック単価がリスティング広告345円に対して、ディスプレイ広告は
62円と約1/5のクリック単価でアクセスが獲得できています。
また、とある事務所の毎月の問い合わせは、ディスプレイ広告経由が全体の約4割となり、
リスティング広告及びSEOだけでは獲得できていなかった層（≒潜在層）から
反響を得ることができました。
このように、ディスプレイ広告では、低単価でより多くの方へ事務所やサービスを認知してもらうこと、
また、リスティング広告やSEO（自然検索）ではアプローチができない層（≒潜在層）から
反響を得ることに適している手法と言えます。
現代のWeb集客において、リスティング広告やSEO（自然検索）、
そしてディスプレイ広告は欠かせない媒体となりつつありますが、
まだまだ活用できていると言える税理士は多く存在しません。
今回ご紹介させていただいた内容を参考に、ぜひ実行してみてください。
（しかし、Webはやや専門性が高い領域ですので、ご不明点等ございましたらお気軽にご相談ください！）
会計事務所コンサルティングチーム
大西 哲司（おおにし さとし）
